TOPVALUの意外な旨さに全世界が驚いたあの第一回決定戦から3週間。我々9名の美食家は焼きそばの新たな地平を求めて第二回やきそば王者決定戦を開催した。
王者決定戦の概要
今回の評価対象となるのは14製品、審査員は2名増えて9名となった。もちろん採点基準はただ一つ「うまいか否か」である。試食後に各自シートに5点満点で採点を行う。
原則として今まで食べていない焼きそばを選び、そこに前回のツートップである日清U.F.OとTOPVALUソースやきそばを加えた。また14種類を同時に作ると前回の一平ちゃんのように湯切り忘れなどの惨事の原因となる。その反省から今回はソースやきそば部門(6製品)、塩やきそば部門(4製品)、その他部門(4製品)にわけて試食を行った。
食べ比べ
以下が食べ比べの結果である。
ソース焼きそば部門
No | メーカー | 品名 | 審査員の平均点 | 私の採点 | 感想 |
---|---|---|---|---|---|
1 | TOPVALU | ソースやきそば | 3.9 | - | ソースの味がいい。王道? |
2 | 日清 | U.F.O | 3.6 | - | 麺の感じがよい。やっぱりこれが標準。 |
3 | 東洋水産 | マルちゃん昔ながらのソース焼きそば | 3.3 | - | 駄菓子屋の味 |
4 | 明星 | 一平ちゃん | 3.3 | - | マヨがうまい |
5 | 明星 | 究麺(きわめん)ソース焼きそば | 3.0 | - | スパイスが個性的 |
6 | エースコック | いか焼きそば | 2.7 | - | 特徴がない |
あえてぺヤングを外し、新時代のソース焼きそばを占った今回のソース部門。前回のツートップは今回も強かった。前評判に対していか焼きそばの点数がさみしい。
塩焼きそば部
No | メーカー | 品名 | 審査員の平均点 | 私の採点 | 感想 |
---|---|---|---|---|---|
1 | サンヨー食品 | サッポロ一番 塩カルビ | 3.6 | 4 | マジカルビ |
2 | 明星 | 評判屋の塩焼きそば | 3.6 | 3 | 焦げた香り |
3 | 日清 | U.F.O 辛口シーフード | 3.1 | 3 | シーフードヌードルの水無し |
4 | 明星 | 一平ちゃん 塩だれ | 2.3 | 3 | マヨ+塩は鬼門 |
塩味ってどうなの?という懐疑的な審査員を力でねじ伏せたのは塩カルビと評判屋の2品である。一平ちゃんの塩+マヨの組み合わせは大会史上もっとも審査員内で評価が分かれた。好みが分かれ議論を呼ぶ味。
その他部
No | メーカー | 品名 | 審査員の平均点 | 私の採点 | 感想 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 東洋水産 | 俺の塩 たらこ味 | 4.1 | 4 | やきそばではない何か |
2 | 東洋水産 | 黒い豚カレー焼きそば | 3.1 | 3 | カレーヌードル汁無し |
3 | 日清 | U.F.O 明太子マヨ | 2.7 | 3 | 明太子味が邪魔なソース焼きそば |
4 | エースコック | 博多風とんこつ焼きそば | 2.0 | 1 | 紅ショウガがほしい |
王道のソースでもない、新興の塩でもない、第三勢力をまとめたこの部門。1位の俺の塩 たらこ味が今大会の最高点4.1をたたきだす一方で、4位の博多風とんこつ焼きそばは最低点2.0に終わった。部門内での明暗がくっきりと浮かび上がる。採点には表れていないが、王道にすがらずに可能性を切り拓こうとする各社の努力に我々審査員は深く感銘を受けた。
講評
ここでは3部門を通して結果を振り返ってみたい。
改めて証明されたTOPVALUの実力
「TOPVALU ソースやきそば」と「日清 U.F.O」はどちらも前回の結果がまぐれではないことを証明した。とくにTOPVALUは僅差でU.F.Oを抑えての1位だ。
試食時に審査員たちにTOPVALUの感想を聞いたとき誰もが「おいしいけど、そこまでじゃない」という趣旨の発言をしていた。ところがどっこい集計すると審査員一人を除いて全員がTOPVALUに4点をつけていたことが分かった。他製品と比べると驚異的に安定した高得点、つまり「熱狂的に愛されることはなくても、みんなにそこそこ支持される」それがTOPVALUの強さの秘密である。インスタント焼きそば界の上戸彩として新時代を築いてほしい。
塩部門は香りの戦い
塩部門のトップは塩カルビと評判屋の二品だった。この二つに共通するのは強烈な香りである。塩カルビは焼き肉のような香りが、評判屋は焦げた醤油の香ばしい匂いが、それぞれ食欲をそそる。ソースと比較して塩味は香りの点でアッサリしてしまうという弱点があるのだろう。香りのない塩を使って、ソースに代わる新たな「香り」でいかに個性をうち出すかが勝負の分かれ目となった。個人的に評判屋の香りがあれば、それだけでご飯三杯くらいいけそうである。
個性が火花を散らすその他部門
その他部門はたらこ味、カレー味、とんこつ味と個性的な焼きそばたちが勢ぞろいした。最高点を記録した俺の塩たらこ味は焼きそばらしくないが旨いと好評であった。
審査員を困惑させたのは博多風とんこつ焼きそばの不思議な味付けである。たれが白いので麺ときちんと混ざったのかもよくわからない。審査員の一人の「九州の人間として許せない」という発言が印象的であった。
さよなら!また逢う日まで!
第二回大会ではいろいろ試してみたが、結局のところ一押しの焼きそばはTOPVALUとU.F.Oの二つというのは前回と変わらない結論になってしまった。
夏なので、王道のソース味だけではなく塩味にチャレンジしたいというあなたには俺の塩たらこ味を。
そしてひと夏の火遊びを望まれる方には博多風とんこつ焼きそばを、それぞれお勧めしたい。
これで我々9名の美食家が当初計画していた焼きそば食べ比べの目標は遂げられた。トータル22種類のカップ焼きそば、それに携わっているすべての方々の努力に、9名を代表して、感謝申し上げたい。いつも我々を楽しませてくれてありがとう。
さようなら、また逢う日まで!
大丈夫、寂しいときは食べ終わった焼きそばの容器をよく見てごらん・・・
僕らはいつでも(焼き)そばにいるよ・・・