シンガポール市内のホテル、ホリデイインアトリウム(旧コンコルドホテル)の脇にはうらびれたモールがある。店先でおばちゃん達が井戸端会議をしているネイルサロンやマッサージ屋などが立ち並ぶ中、一際異彩を放っているのがアンさんのコンビニエンスストアである。
アンさんのお店について
ご覧のとおり、文字通りアンさんのコンビニエンスストアという看板が出ている。
海外でこの程度の日本語を見かけることは実は珍しくない。しかしこのアンさんのコンビニはその名に恥じない品揃えなのである。店内では日本のコンビニで売られている商品+旅行者が欲しくなるような商品(土産物、はがき、地図、スーツケース)がところ狭しと並んでいる。
値段はホテルのルームサービスの4分の1、観光客向けの店の2分の1、普通のコンビニの価格から約10%オフくらいだろうか。
さらにその価格から端数をまけてくれたり、色々とオマケの品をつけてくれるのでかなりお買い得感がある。
この写真は実際に僕が買い物に行った時のもの、後ろ3つがレジに持っていったもの、前3つはアンさんがオマケでくれたもの。どちらがオマケなのかわからない。
アンさん自身について
さてさて、この店最大の売りは言うまでもなく店主アンさんである。
顔立ちは元CAだけあって美人であったことは間違いない。店内にはられた”アンさんポスター”だけ見れば、どこぞのモデルのようだ。
スタイルは叶姉妹を連想させる、医学の進歩を感じさせる系のナイスバディ。そして露出度の高い服を着ている。
接客スタイルは前陣速攻型。ひとたび、店に足を踏み入れると「日本のビールあるよ?」「お菓子食べる?」「いつ帰る?」「どこの会社?」と質問攻め。お菓子の缶を持ってきてしきりに食べろと勧める。「ご飯食べたばっかりだから」と言っても通じない、というか聞いてない。なおこの歓迎の儀式は日本人だけでなく、ほかの国からのお客にもわけ隔てなく行われる。
そんなアンさんは色々あって、現在彼氏募集中だ(素敵な男性にめぐり合えるようにジムにも通ってる)。募集にいたるまでの紆余曲折に富んだストーリーはさすがに「Webには書かないで」と言われた。そっちが面白いのに・・・。
以上アンさんのコンビニの宣伝でした。シンガポールに行かれてホリデイインアトリウムに宿泊される方は一度アンさんの”Eat more cookies!!! Take more! Take More!”を経験されるとよいと思う。
アンさんのコンビニトリビア
・アンさんは闇両替もしている。日本円からシンガポールドルへの両替はもちろんのこと、USドル、ユーロ、韓国ウォン、オーストラリアドルもやり取りされているのを目撃した。レートは少なくともホテルよりは良い。
・商品の日本製品は日本もしくは台湾から輸入している。
・1日の来店者は大体600~700人。うち200人が日本人。(かなり繁盛している)
・営業時間はだいたい3時ごろまで。
・売れ筋は日本のビール、日本のカップラーメン、たばこ
・今の場所に店をひらいたのはアンさんの兄弟のMr. AN。つまり”アンさん”は苗字。
・日本語を覚えたのはシンガポール航空時代に日本人CAとランゲージエクスチェンジのような事をしていたから。(しかしCA同士が「バナナはオマケね」「50セントはサービスね」という会話をする可能性は低く、6年間実際に店で接客する間に上達したと思われる。)
・アンさんは英語・日本語に加えて韓国語も喋れる。曰く韓国語は難しくないらしい。
・ホリデイイン以外の宿泊客やシンガポール在住の日本人も多く来店する。日本の商品が目的の人もいれば、アンさんに会いにくるのが目的の人も。実際別のホテルの日本人客がわざわざTigerビール(シンガポールならどこでも売ってる)を買いに来ていた。
アンさんに直接聞いた事だが、さて