カフェオレで世間を驚かせた弟者がまたやった。今度は自分なりのカフェモカを作っている現場をおさえた。
せっかくコーヒーをいれたのに
我が家ではドリップ式のコーヒーメーカーがあり、手の空いた方が二人分のコーヒーを多めに作っておくことがある。この日は弟者がそのコーヒーをいれていた。*1弟者はコーヒーを半分ほどマグカップに注ぐ。
異変が起きたのはここからである。弟者は台所で砂糖を入れていた。大さじ1杯、2杯、3杯。ずいぶんたくさん砂糖をいれる。
兄者「砂糖の取り過ぎはよくないぞ。」
弟者「平気、これココアだから。」
兄者「そうかココアか。なら大丈夫だな。。。ん、ココア?なんでコーヒーにココア?」
もちろんこんな下手なノリ突っ込みはしていない。ノリ突っ込みはしていないが、驚いたのは事実である。
なぜコーヒーにココアなのか、弟者の主張:
弟者に真意を問いつめる。
兄者「なんでコーヒーにココアいれるんだよ!コーヒーが台無しだろ。」
弟者「いや、、、コヒアにした方がおいしいから、、、」
コヒア?弟者とその友人達(!)はその奇妙なオリジナルドリンクに「コヒア」という名前をつけているらしい。作り方はこうだ。
- コーヒーをいれる
- カップに3分目くらいコーヒーを注ぐ
- ココア(安い調整ココア)をティースプーンで山盛り3杯ほどいれて溶かす
- 牛乳を加えてよく混ぜる。お好みで電子レンジで温める
弟者の言い分はこうだ。「われわれは貧乏であるからこそ、工夫して生活のレベルをあげなくてはならない。20世紀の代表的な発明『プリンに醤油をかけるとウニになる』はそのような苦境の中で生まれたのである。コヒアは安いコーヒーと安いココアを混ぜることによって、極上のココアを作るすばらしい発明である。配分をかえることでカフェモカっぽく作ることも、ココアっぽく作ることも自由自在なのだ!」
いや待て、ときに落ち着け弟者。そのコヒアとやらは高くてまずい料理の横綱『生ハムメロン』のように素材の良いところを打ち消し合う最悪な組み合わせではないのか?
仕方ないので飲んでみた。そして結論
食わず嫌いはよろしくないので、弟者に促され出来立てのコヒアを一口試してみた。味はコーヒーよりココアに近い。コーヒーの苦みがココアの味に奥行きを与えている。とびきり美味いわけではないが、格別まずいわけでもない。リアクション芸人泣かせな中途半端さである。
その後数日熟考をかさねた。やはりコヒアはコーヒーとココアに対する侮辱であると結論するに至った。
せっかくコーヒー豆に生まれたのに。焙煎され、挽かれ、曲がりなりにもコーヒーになったのに。さぁ飲んでもらおうと思ったその瞬間にココアにされてしまう、その無念さがお前にわかるのか?コーヒーの気持ちになって考えたことはあるのか?プリンは醤油をかけられ、できそこないのウニとして食べられたいと思ってるのか?
違う。
コーヒーはコーヒーとして、プリンはプリンとして、メロンはメロンとして消費される権利をもっているのだ。それを人間のエゴで勝手にねじ曲げることは許されないのだ。
とりあえず田舎の君のご両親は「弟者は家ではコヒアなどという意味不明の飲み物を飲んで、発明がどうこう言ってる。おそらく変な宗教にハマっている」と報告しておく。
参考: 【奇跡の弟者】 弟者のカフェオレ
過去記事: 【奇跡の弟者】 バックナンバー8件