久々におもしろい本を読んだ。
犯罪不安社会 誰もが「不審者」?
浜井 浩一 芹沢 一也
「安全神話の崩壊」という聞き慣れたフレーズがまったく根拠のないものであることを理路整然と説明する1章。
凶悪事件に我々がどう踊らされたのかを振り返る2章。
相互不信社会の恍惚と現実を語る3章。
犯罪者の終着駅である刑務所の変貌を読み解く4章。
どの章も優れた考察が多く、おもしろい。特に認知件数の急増と検挙率の低下のカラクリを種明かしする1章は必読。また2人の著者がお互いのパートをよく掴んでいて、言われなければ共著とは思わないだろう。
コンピュータセキュリティを生業にする私としては、根拠なく一般のユーザを不安に駆り立てるような言動は慎まないといけないと決意を新たにする次第。