感想はいずれ書くとして、映画はいろいろな意味で多くの人に見てもらいたい内容だったので、見ながらとったメモをブログにのせてみる。
注意:
・基本的には映画の雰囲気をふんわりつかむためと割り切って読んでください。内容は僕が聞き取れた所だけ、しかも一度パッと見ただけなので甚だ心もとない。もし既に見た人がいらっしゃったら指摘は有り難く受けるし、修正します。
・ミステリーでもないですが、ネタバレとかそういうのを気にする人は読まない事をおすすめ
シーワールドは実はイルカの敵
海洋生物に関するカンファレンスをサンディエゴで行おうとしたが、Richard O'Barryの基調講演が直前でスポンサーから却下された。イベントのスポンサーは「シーワールド」だった。海洋生物に関する研究はシーワールドのような営利企業のスポンサリングが重要であるとのこと。
Richard O'Barryはイルカ漁に反対する活動家、ニカラグアやアメリカで不当に扱われているイルカを逃がすなどの「救出劇」を行っている。活動が過激なあまり何度も逮捕されている。同じような活動をしていたJane Tipsonは殺された。活動家になる以前はわんぱくフリッパーとして知られるテレビシリーズでイルカの調教している
リチャード「イルカは新しい環境のシンボルだ。」
リチャード「イルカが笑っているというのは大きな誤解。音でもコミュニケーションするがゆえに音に敏感。水族館などの閉鎖環境では循環機器のノイズが原因で死んだりする。本当にデリケートなんだ。」
イルカの性質を利用した太地町の漁
音に敏感なイルカの性質をつかって音で威嚇しおいつめる。漁の様子が映像で紹介される。
- 20隻程度の漁船、船の両舷から海中に鉄のパイプをのばす。漁師がパイプを叩いてノイズを出し、イルカをおいこむ。
- 逃げないように、沖側にネットをはる。一晩待つ。
- 翌朝シーワールドの担当者達が来て、見た目の良い、若い♀のバンドウイルカをイルカショー用として持って行く
太地町はショー用にイルカを世界各国に輸出しており、一頭あたり最大15万ドル程度で取引される。
このような方法で23000頭のイルカが毎年捕獲されている
IWCとイルカ漁の関係
誰か: IWCはクジラ保護に注力しているが、イルカはその対象外である。それはおかしい。
森下丈二の紹介。水産庁の官僚、ハンサム、日本の国益を代表している。他国代表の質問に居眠りしている場面が繰り返される。悪者として描かれる。
イルカ漁を隠したい太地町の人々とクルーの軋轢
カメラは太地町の漁師の人たちにも遠慮なく向けられる
- カメラを隠そうとする人
- 女性活動家を浜から押し出そうとする人
- 帰れと怒鳴るように叫ぶ人
- クルーのカメラに対して中指をたてて見せる人
クルー「見せしめだろうか、既に息絶えた子イルカの喉を斬ってみせた漁師がいたときには、腹がたった」
2003年シーシェパードはイルカ漁の実態をカメラに収めるため、太地町に人を派遣。イルカ用ネットを切断した。
公式に使途の交渉なども散発的に行われているが、市側からは立ち入り禁止区域を押し付けられたのみ。
漁の一部始終をカメラに収めたものはいない。
イルカ漁の全貌を撮ってやる大作戦
颯爽と太地町にイルカの撮影のためにあつめられたエキスパート達。
- 岩にカモフラージュしたカメラ、水中にしかける水中カメラと録音機
- 素潜りのエキスパートたち、水中にカメラをしかける担当
- ラジコンのヘリコプターやおもちゃの飛行船にカメラを搭載。
メンバーのひとり「飛行船やヘリコプターを使う1つの理由は逮捕された時の印象アップだよ。」
47個の黒いトランクを日本に空輸、いきなり怪しまれてホテルの前に監視がつく。
リチャード?ルイ?「誰に尾行されいるのかわからなかったので、英語をしゃべれる日本人に聞いてみたら、『警察だよ』と教えてくれた」
まずは正面から網の近くによってみると、太地町の漁師に阻まれる。あきらめて一行が帰ろうとした頃に、網の向こうから傷ついて血だらけの子イルカが泳いできて力つきる。それを見て泣き崩れる美人ダイバー夫妻、談笑を続ける漁師との対比の構図。
イルカの肉は水銀に汚染されてイルカ?
リチャード「太地町の人々はこれは彼らの伝統で、おまえらが牛を食べるように、我々はイルカを食べている」と説明している。
東京(渋谷)でイルカ漁について聞く場面、「日本で毎年2万3000頭のイルカが殺されている事をご存知ですか?」
みんなその事実を知らない
リチャード「日本のメディアはイルカ漁を隠している。なぜならイルカは食物連鎖の頂点にいるため水銀に汚染されている事実を公にしたくないから。」
水産省の担当者 MORONUKI HIDEKI 「イルカを食べ過ぎない方がよいです。ただイルカの肉には貴重な栄養が含まれていますが」
IWC日本派遣団のお抱え弁護士(外国人)「市場にでまわる日本の基準値をオーバーするような汚染物質は含まれていない。日本の基準ではね。」
北大 遠藤哲也 「太地町で購入したイルカの肉から2000ppmの水銀が検出された。推奨値は0.4ppmであるにもかかわらず」
誰もたべない、イルカ肉はどこにいったのだろうか?
スコット・ベーカー「イルカはスーパーでクジラ肉として売られている。水銀はWHOの推奨値の20倍である」
唐突に水俣病の紹介。かつて水俣市で水銀の多量摂取に寄る疾病が流行したことを紹介
水俣病患者の家族の訴え「首はすわらん、耳は聞こえん、口きけん、味はわからん」
前出の水産省の担当者 「いるか肉によって水銀中毒がひきおこされ、水俣病のような自体が発生する可能性について)ありえないでしょう」と一蹴
リチャード「こういう危険(水俣を指してる?)を避けるためにも太地町の漁を辞めさせる必要がある」
イルカの声をきこう
反捕鯨の風潮を作り出したのはクジラの声を録音した1枚のレコードだった。「クジラは歌う」という事実が活動家を燃えさせた。
網にとらえられたイルカの声を録音して人々に聞かせれば同じ事がおきるのではないか?
深夜の水中マイク設置作戦はギリギリ成功。2人の警備員があっという間に近寄ってきた。
その間リチャードはホテルの従業員と市の職員風の人に尋問にあう
市職員「夜中にこそこそOPSの人たちがどこかにいったけど?」
リチャード「OPSと私は関係ない」としらを切る
水中に仕掛けたマイクを引き上げ、みんなで中身をきく。一頭のイルカの声だけが鋭く響く。
イルカの声は苦しんでいるようにも聞こえた。涙ぐむリチャード。
イルカは他の魚類を大量に食べてイルカ? 日本の戦略
リチャード「漁師は政府からイルカを減らす事で他の資源を保護していると言われているがそれは根拠がない」
2006年のサイエンス誌のとある論文を挿入「今のペースで漁業を行うと40年で立ち行かなくなる」
築地場内市場が写り、マグロが次々と取引され、買いたいされ、消費されて行く場面が早回しで続く。
1986年に商業捕鯨が再びIWCで許可された
IWCで日本に賛成するコメントを述べるセントルシアなどの代表団とそれを満足げに聞く森下氏
誰か:「日本の代表団は財政的に破綻した小国に、金銭援助の見返りに表をあつめている。」
イルカ漁を正統化するために、学校給食にイルカを採用させようという太地町が取り組みを薦めているが、これは町内でも議論が分かれているという。
太地町に住む5才と7才の男の子の父親「 給食は全部食べないといけない。学校給食にイルカは避けるべきではないか」
勇気を振り絞った発言の様。日本には「出る杙はうたれる」という諺があるが、彼も叩かれてしまうのか?
入り江でのイルカ漁をとらえた(映画のクライマックス)
夜間に侵入禁止区域に忍び込んで
・MandyとKirkは海の中へカメラとマイク設置
・Simonは岩に似せたカメラを設置
準備万端
岩陰のカメラからは夜明け前の浜辺で、タバコを吸いながら談笑する漁師達。画質音質ともにかなりクリア。
狭い区域に追い込まれるイルカ、20人程度の漁師達、船の上から細長い銛をかまえる。
カメラは水中カメラにスイッチ。イルカの声が聞こえる。やがて水色が上から赤黒くそまり、すぐにブラックアウト。
ここで湾を俯瞰するカメラに切り替わる。真っ赤にそまった海と黙々と銛をつきたてる漁師
ときおり最後の抵抗とばかりにじたばたするイルカが写る
最後は漁師が暖をとるために焚いたたき火を赤い海の水で消しさって行く
[caption id="attachment_2202" align="alignnone" width="600" caption="血の海"] [/caption]
ナレーションはなく、画面が強調される。
再びIWCの会議場
森下氏「イルカクジラを捕獲する方法は近年改良されており、短い時間で少ない苦しみで殺す事ができる。」
リチャード、会議場の外から会場に乱入する。お腹には液晶モニター、流れているのは太地町の漁で赤く染まった海
[caption id="attachment_2203" align="alignnone" width="300" caption="IWCに突撃したリチャード(リック・オバリー)"][/caption]
終幕
イルカ漁は毎年9月に行われる。あなたが動かない限り
イルカ漁を止めたい人はSMSするか takepart.com/thecoveにアクセス
ちなみにDVDで見てみるという方はこちらから(英語のみ、リージョンコード北米)
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