数ある職業の中でシェフほど多くを求められるものはないと、何かの本で読んだ。一流シェフにはヒラメキ、記憶力(知識)、美的センス、経験、体力、会社経営手腕、その全てが要求されるというのが理由だった。
そんな一流の世界を引き合いにださずとも、冷蔵庫の中身を把握し、家族の体調と嗜好を理解し、30分の間に、2つのコンロと1つの電子レンジで朝食とお弁当と夕食の仕込みを並行する作業がどれだけ大変か?料理をしない人にも想像できると思う。(分からない人は黙ってお母さんや奥さんに感謝しよう。)「趣味の料理」で、作り終わった後シンクが洗い物でいっぱいの僕なんかには到底まねの出来ない芸当だ。
レシピ読みにくくない?
さてレシピを見ながら料理を作ることが多い僕にとって、今のレシピってのは結構無駄が多いのである。
- レイアウトがまちまち。無駄な写真が多かったり、材料表が別のページにあったりする。そしてその書式は本によってバラバラである。
- 余計な指示が多い。タマネギの炒め方、フライパンの揺すり方、”彩りにパセリをのせるとGood”とか無くても料理の出来に影響ない)
- 1)と2)のお陰で作業の全体像が把握しづらい。うっかり鷹の爪を入れ忘れたりする。
なんとかフォーマットを統一できないものかと思っていたところいいものを見つけた。
Cooking For Engineer
海外にエンジニアの発想でこの問題に取り組んだ"Cooking For Engineer"という面白いレシピサイトがある。特徴はレシピの最後にチャートがついていること。たとえば普通のビスケットのレシピはこんな感じ。ずらずらと作り方が細かくかいてある最後の方に表がついている。分かる人はこの表をちょっとみるだけで「あーなるほど」となると思うはずだ。
出典: http://www.cookingforengineers.com/recipe/41/Basic-Biscuits
他にも沢山のレシピが載っているので "Cooking For Engineer"のサイトから右上の方の"Recipe File"をクリックして欲しい。マッシュルームスープとか量が多くて海外のサイトだと感じる。鍋を二つ使う料理や、オーブンを温めておく作業ももちろん対応可能だ。
普通のレシピとどっちが分かりやすいか比較
それでも英語のレシピはなかなか読みにくいので日本語で自作してみた。そして通常のレシピと比較してみる。選んだのはCookpadに載っていたこのレシピ(あ、ちなみにこのレシピが特別ゴチャゴチャしてるということではないです。ちょうどこのエントリーを書いた日に作ろうと思ったレシピだっただけ。)↓
あっさり*塩麻婆豆腐 ( http://cookpad.com/mykitchen/recipe/422429/ )
リンク先を見れば分かるが1ページに様々な情報が詰め込まれて、無駄が多いことこの上ない。ここは下のように一枚の図にまとめてみたらどうだろう。
図の見方
図は左上の方から右下に向かって順に追う。
「弱火加熱」するのは、その左側にある「にんにく、しょうが、赤唐辛子」だ。
で、次に「ポロポロになるまで炒める」。対象は最初のステップで加熱したニンニクなどとひき肉。
この小さな表で料理完成までの材料と順番が一目で分かる。ある程度料理に慣れている人にはこれで必要十分だと思う。
色々なレシピをこのフォーマットで耐水性高いカードにしてどこかが発売してくれたら買いたい。準備の買い物も料理もカード一枚なんてかっこいいじゃないか。
あー、お腹空いてきた。今日は何食べよう・・・
追記 2008/12/02
d:id:kkomiyama:20081201にこの日記の続き”理系のための料理術:書き方のコツ&複雑なレシピ募集”を書きました。