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Jun 22, 2008

理系のための料理術 "Cooking For Engineer"

数ある職業の中でシェフほど多くを求められるものはないと、何かの本で読んだ。
一流シェフにはヒラメキ、記憶力(知識)、美的センス、経験、体力、会社経営手腕、その全てが要求されるというのが理由だった。

そんな一流の世界を引き合いにださずとも、冷蔵庫の中身を把握し、家族の体調と嗜好を理解し、30分の間に、2つのコンロと1つの電子レンジで朝食とお弁当と夕飯のための仕込みを同時並行するという作業がどれだけ大変か?料理を全くしない人にも想像できると思う。(趣味の料理で、作り終わった後流しが汚れ物でいっぱいの僕なんかにはまねの出来ない芸当だ。)

頭のいい人が料理うまいとは限らないが、料理の手際の良い人は仕事が出来る人である事がおおい。幸田露伴(古今料理書解題というマニアックなレシピ本を残した)とかはやはり料理も手際よくこなしたんだろうなと思う。

レシピ読みにくない?

さて僕のようなレシピを見ながら料理を作ることが多い一般人にとって、既存のレシピってのは結構無駄が多いのである。

  • レイアウトがまちまち。無駄な写真が多かったり、材料表が別のページにあったり
  • 余計な指示が多い
    タマネギの炒め方とか、フライパンを揺すり方、”彩りにパセリをのせるとGood”とか無くても料理の出来に影響を与えない事がずらずら書いてある)
  • 1)のお陰で全体作業が把握しづらい

1については初心者向けのレシピ本だからなのかもしれないけど。

海外にエンジニアの発想でこの問題に取り組んだ"Cooking For Engineer"という面白いサイトがある。ここの特徴はレシピの最後にチャートがついていること。たとえば普通のビスケットのレシピはこんな感じ。ずらずらと作り方が細かくかいてある最後の方に表がついている。分かる人はこの表をちょっとみるだけで「あーなるほど」となると思うはずだ。


source: http://www.cookingforengineers.com/recipe/41/Basic-Biscuits


他にも沢山レシピがのっているので "Cooking For Engineer"のサイトから右上の方の"Recipe File"をクリックして欲しい。マッシュルームスープとか材料の量が多くて海外のサイトだなぁと感じる。鍋が二つに分れる料理や、オーブンを温めておく必要がある料理においてもきちんと作業が分かるようになっている。

普通のレシピとどっちが分かりやすいか比較

さて英語が厳しいので日本語で自作してみた。そして普通に書かれたレシピとの見比べてみる。元になったのはこのレシピ↓

あっさり*塩麻婆豆腐 ( http://cookpad.com/mykitchen/recipe/422429/ )

リンク先を見れば分かるがWeb1ページにいろいろな情報が書かれてて、無駄が多いことこの上ない。こうしてみたらどうだろう。

図の見方

  • 図は左上の方から右下に向かって順に追う。
  • 「弱火加熱」するのは、その左側にある「にんにく、しょうが、赤唐辛子」だ。
  • で、次に「ポロポロになるまで炒める」。対象は最初のステップで加熱したニンニクなどとひき肉。
    という感じである。

この小さな表で料理完成までの材料と順番が一目で分かる。僕ならこれで必要十分だ。色々なレシピをこのフォーマットで耐水性高いカードにしてどこかが発売してくれたら買いたい。準備の買い物も料理もカード一枚なんてかっこいい。

あー、お腹空いてきた。今日は何食べよう・・・