まずは10月に書いた「神保町ランチ戦記」が呼び水となり、会社の同僚ともう一度近辺のランチをきちんと調べてみよう、新規開拓しようという機運がにわかにもりあがった。というかもりあげた。雑誌を参考にして、細い路地を歩いていったり、こんなとこにお店あったっけ?という店に入ってみたりした。なんかエンゲル係数が急に上がった気もするけど、人生には適度な刺激が必要だと思う。
Rodrigo Y GabrielaのCDを買った。特にLive in Franceがいい。アコースティックなギターでもこんなに盛り上がれるんだなと。
11/2
家の近所でゆったり飲めるバーを探そうということで、週末にいろいろなバー・飲み屋で一杯づつのんではしごする夜遊びをした。楽しかった。バーは大抵ダンディーなバーテンがいて、いろいろ教えてくれて、一人の時は話しかけてくれる。思っていたよりもずっと敷居が低かった。
11/14
自宅でチキンライス。外ではよく食べるけれど家で作ろうなんて考えたこともなかった。
[caption id="attachment_2540" align="aligncenter" width="600" caption="ショウガとニンニクのたれも抜群にうまかった。"][/caption]
11/16
出張。まずはミュンヘンで一泊した。空港で食べた白ソーセージとビールの朝ご飯はすばらしかった。これでしばらくまともな食事とはおわかれという予感を抱きつつソーセージかみしめる。
[caption id="attachment_2541" align="aligncenter" width="400" caption="スイスかロシアの上空"][/caption]
11/18
カメルーンでの仕事がはじまる。アフリカに情報セキュリティ対策をする組織をつくろうという壮大な計画で、アフリカ出張は今回が3回目だ。マラリア予防も水道から出る茶色水にも埃っぽい街にもなれてきた。今回は比較的楽になるはずだった。ところがどっこい、やはり今回も大変だった。カメルーンは英語とフランス語が公用語と聞いていたが、街でもカンファレンスでもあう人はみなフランス語しか話せない。
理解しがたいことも沢山おきた。人に何かを依頼する時の態度が高圧的な人が多く、やはり僕の感覚では理解しがたい。言葉がきつく、周囲へのあたりが強く、自分にあまい。タフな仕事場である。
[caption id="attachment_2553" align="aligncenter" width="600" caption="Afrinic15"][/caption]
[caption id="attachment_2555" align="aligncenter" width="600" caption="仕事一段落の後にみんなで地元の魚料理。開放感とあいまってうまかった。うしろの緑の人の視線がこのくにで黄色い人がどれだけ珍しいかを物語っています。"][/caption]
[caption id="attachment_2542" align="aligncenter" width="400" caption="そして道のりはまだまだ長い"][/caption]
アフリカでの仕事のパートナーはいつもYさんというバイタリティ溢れる人だが、今回は珍しく体が重そうだ。
11/26
ブリュッセルへ。中央アフリカから日本にかえるにも欧米に行くにもベルギーは便がいい。中央アフリカのいくつかの地域をベルギー王室が統治していたという歴史的な経緯からブリュッセル航空がアフリカに多くの直行便を飛ばしているからだ。そんなわけでブリュッセルで乗り換えついでに一泊した。
[caption id="attachment_2546" align="aligncenter" width="600" caption="ブリュッセルは全てが輝いていた。"][/caption]
道をあるくと凝りにこったチョコレートやお菓子が店先を飾っているのが見ていて楽しい。カメルーンの森でみたカカオがベルギーの街角で美しいチョコレートになっている。その光景をみると、ベルギーへと僕がたどったのは、シルクロードならぬカカオロードだったのかもなと思う。
[caption id="attachment_2547" align="aligncenter" width="600" caption="これがカカオ。堅い殻に覆われた白い実はほのかに甘い。"][/caption]
11/28
アメリカへ移動。人生初めて大西洋をわたった。マイレージがたまって来年もスターアライアンスのゴールドの資格ゲット。これがあるとほとんどの空港でラウンジが使えて、ラウンジにはもれなくインターネット接続があるのがうれしい。
11/29
上司と打ち合わせ。レストランと喫茶店をはしごしたミーティングは長時間にわたったが、いろいろなギャップを埋めることができてひとまずよかった。
11/30
ホテルの設備が貧弱なのだろう、アメリカなのにインターネット接続がカメルーンよりも遅い。仕事ができるレベルではないので、街へ早いインターネットを探しに。こっちのスターバックスはほぼ全て無料Wifiを提供しているので、スタバに5時間居座る。
デパートでTUMIのバッグを購入した。できるビジネスマン風でかっこいいのだがめちゃくちゃ重い。ただこのカバンをきちんと使いこなせれば、バッグの中で何かが無くなったりする悲劇はおこらなくなるのではないかと期待している。
[caption id="attachment_2549" align="aligncenter" width="448" caption="厚い とにかくぶ厚い"][/caption]
12/1
ミーティング。朝から夕方まで25分きざみで講演者が次々と現れる。昼ご飯も話を聞きながらサンドイッチを食べる。その合理性はやっぱりアメリカだからこそだろう。書かれたスケジュール通りに議事が進んでいくのはきもちいい。最近こういうのなかったからなぁ。そして日本から参加した人たちが皆さん話が巧みで、内容が濃くて圧倒された。あらためて日本にもスゴい人たちがたくさんいるものである。
ディナーは同じ会議に参加する5人でメキシコ料理へ。以前、サンフランシスコのペルー料理屋「La Mar」で食べたセビーチェ(ペルー風の刺身で生の魚をライム等であえる)がとても美味しかった。そこで今回もセビーチェを食べさせてくれるレストランへみんなでいってみた。セビーチェは前ほどの感動はなかったがおいしかった。海外では生魚もすっぱいものもなかなか食べられないから、3週間近い出張でそういうものに飢えていたのだ。セビーチェ以外の料理もおいしくて、大満足のディナー。
[caption id="attachment_2548" align="aligncenter" width="600" caption="夢にまで見た生魚(セビーチェ)"][/caption]
12/3
さぁ帰国するぞ。早朝、タクシーに乗って空港に向かった。「アフリカ周りの世界一周の出張が今日でおわりで、やっと家に帰れるんだ」という話をすると、タクシーの運転手はなんとアフリカ(エチオピア)出身だという。聞けばこの地域だけで40万人ものエチオピア人がいるという。たしかに空港にはエチオピア航空がアジスアベベへの直行便を出していて。この街とエチオピアの深い深い関係に驚いた。
あまり関係ないことであるが、海外に出張していて最も「俺頑張っている」と感じるのは、朝暗いうちからスーツケースに荷物を詰め込み、移動の準備をしているその瞬間である。プロフェッショナル仕事の流儀や情熱大陸のテーマ曲を流しながら荷物を詰めれば、さらに盛り上がる。
見通しの悪い環境で仕事をする上で大切なのは、自分の中でストーリーをつくり、勝手に盛り上がり、メリハリをつけることだと思う。勝手につくった自分の物語の中で僕はとってもヒーローである。周りにその物語を押し付けなければ、それでいいと思うんだ。