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Nov 29, 2009

事業仕分けの感想


事業仕分けの模様は全てネットで中継や録画されていた。それらを6時間ほど見た感想を記しておきたい。結論から言えば、これはとてもよい試みだと思う。来年度以降も続けて欲しい。


蓮舫は高圧的じゃなかった


ニュースなどでは民主党の蓮舫議員が官僚や天下り団体のお偉いさんを切り捨てている場面が繰り返し報道されていた。が、多くの仕分け人の中で蓮舫議員は語り口がマイルドな方だ。単純に見た目に華があって目立っているだけ。もっと品のない言い方をするモデレーター/仕分け人が沢山いてビックリする。



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スパコン計上見送りは妥当だとおもう


スパコン開発の事業仕分けを全て聞いた。ベクダー型スカラー型と専門用語が飛び交うタフな議論だった。


見送りの流れを決定づけたのは仕分け人のひとりで、スパコン研究の権威でもある金田康正氏だ。氏の「今年は見送って、冷静に計画を考え直すべき」という強硬な意見に他の仕分け人が同調したという風に感じた。科学技術に疎い素人が目先の損得で見送りの結論を出したわけではない。その分野の研究者が今の文科省と理化学研究所が主導するスパコン開発にノーを突きつけたということである。


「イノベーションはお金や設備が限られた状況下でも結果を出そうとする試行錯誤から生まれる」という趣旨の仕分け人の言葉が印象的だった。ただしこのような姿勢を貫いた場合には莫大な国費を使ってスーパーカミオカンデのような事業は今後期待出来なくなるだろう。そのことを我々は今から覚悟しておく必要がある。



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仕分け人の責任が不明確なのは何とかして欲しい


仕分け人は各事業について行政の過去の間違いや読みの甘さを厳しく指摘している。その中には「(中小機構の融資回収不能分について)リーマンショックのようなものを見越してもっと手堅い投資をできなかったのか?」というような万能を求める質問、あるいは「(小泉政権で行われた)地方交付税交付金の大幅カットの責任をどう感じているか?」など前政権の政治家の決定の責任を官僚に問うなどの筋違いな質問があった。


結果責任を問われるのは行政の宿命かもしれない。しかし行政における責任の不明確さを糾弾するのであれば、今回の仕分けのもたらすあらゆる負の側面について仕分け人は応分の責任を負うべきだとおもう。



官僚の説明能力は高い


官僚というのは説明が下手だと出世出来ない人たちなので、事業仕分けを担当する人にそこまで説明ベタはいなかったように思える。たとえば独立行政法人の理事長に業務の細かい部分を質問して答えが返ってくることは期待出来ない訳で、これは仕分け人が聞く相手を間違っている。


ただし慣れない場面で追いつめられ、感情的になって仕分け人に食ってかかかる官僚がいたことは残念である。



1時間の議論で十分だが、救済システムを


議論の時間が短いという意見があったが、それに大しては何時間かければ充分なのか?と聞いてみたい。どの問題も掘り下げていったら論点は無数に有るので今回の時間で縛るというアイデアは正解だったと思う。ただし担当省庁側からどうしてもこの件だけは考え直して欲しいという案件について「敗者復活仕分け」のようなものがあると面白いと思う



そんなわけで行政刷新会議には今後も頑張って欲しいと思うわけである。