Pages

Nov 19, 2011

初めての海外一人旅にいったら、なんかさみしかった話

ふと、学生時代のことを思い出した。フランスのドーヴィルという静かな街に海を見にいった生まれて初めての海外一人旅のことを。思い出が風化する前につづっておきたいだけなので、オチもなにもない。

 

大学生のころ僕はひかえめにいってかなりダメなやつだった。4年生の時、卒業までに取得しなければならない単位は34も残っていて、履修したのは34単位だった。つまり1つたりとも単位を落とすことが許されないという背水の陣だった。卒業できるだろうか?と不安だった。。通っていた大学では卒業者はまず掲示板に張り出される。肌寒い3月吉日、僕は死刑宣告をうけるつもりで通いなれた坂をのぼり、そして掲示板に自分の学生番号をみつけた。卒業出来たのである。我が生涯における5大幸運の1つ、神様からのプレゼント、完全なラッキーパンチであった。

 

運良く、卒業が決まった僕はふと「卒業旅行」なるものをしてみたいと思い立つ。4月から社会の一員として働きはじめる、その前に自由というものを謳歌してみたかったのだ。父親に「社会に出たら、長い休みは取れない。ヨーロッパなんかは今行かないとなかなかいけないぞ!」と言われたのが、妙に説得力があり、行き先は漠然とヨーロッパに決めた。

ヨーロッパのどこか?そんなもんイギリスとフランスに決まっている。海外事情にうとい僕には大英博物館にいきたい、モナリザを生で見てみたいというのが数少ない具体的に描ける目標だった。

 

イギリスを数日旅してからユーロスターという鉄道でフランスに入る。パリは予想以上に楽しい町であった。ルーブル美術館は素人の僕でもわかるような有名作品がわんさかあった。ご飯もおいしかった。

パリを旅行して3日くらい。計画をたてずに旅行をしていた僕は時間を持て余してしまった。帰りの飛行機が出るのはまだ一週間ある。僕はパリの本屋で手に入れた地球の歩き方(フランス)を読み返し、行ける場所を考えることにした。食の都リヨンあるいはモンサンミッシェルは行ってみたいけれど遠い。そして飛行機にはこれ以上のりたくない。あまりに観光客が多い、いわゆるベタな場所はなんかかっこわるい気がする。

ほどほどに近く、ほどほどに遠く、ほどほどに人気だけれども、ほどほどに人気がないそんな場所を探していた。

 

そして見つけた。 『ドーヴィル(Deauville)』という町を。

 

パリから北に向かうノルマンディー地方の海沿いの町で、高速鉄道で数時間でいけるという。ビーチがきれいで夏には避暑に来るお金持ちでにぎわうらしい。さらに地球の歩き方にはドーヴィルからすぐ近くにはエトルタというさらにマイナーな町があって、おもしろい形の岩があるという。僕は直感でドーヴィルにかけてみることにした。

 

高速鉄道はパリの北駅から出る。英語もしゃべれない、旅行経験もゼロに等しい僕が、どうやって切符を買ったのか定かでないが、とにかくやたらと駅構内を歩き回って、ドーヴィル行きの電車がでるプラットフォームを探し回った記憶だけはある。

 

なんとかドーヴィルについた。生まれて初めて外国で自分で行き先を決め、切符を買い、目的とする場所にたどり着いたという喜びを例えるなら「運転免許をとった直後の、右折すら避けたい頃に、一人でドライブにでかけて見事目的地にたどり着いた時」だ。

ドーヴィルは閑静を通り越して閑散とした町だった。3月の海辺の町なんてそんなものだと今になって思う。駅前は人影がまばらで、コンビニもなく、バス停もなく、ホテルを予約しようと思ってたどりついた観光案内所は無人だった。

 

コンビニで1つだけおにぎりを買って食べたいくらいの空腹を感じて、駅の周りを探すとそこには一見のレストランがあった。外から店内を覗き込むと、真っ暗で客はいない。怖いからやめようという気持ちは空腹に負け、僕はその店に足を踏み入れた。

「ボンジュール」

フランス語以外を話す気はないからねと言わんばかりの先制パンチを食らう。

つらい。 メニューを渡されたが、当然フランス語でかかれていて、読めない。パリでは英語メニューがあったのに…

まったく意味不明な文字の集合の中に、Tarte Normandiという文字を見つけたときはうれしかった。このノルマンディー地方で人気のタルトが出てくるんだろうと予想がついたからだ。コーヒーとTarte Normandiをオーダーしてみた。程なくして店主が飲み物とタルトを持ってくる。まさしく思い描いた、日本でもよくあるドライフルーツタルトだ。さっそく食べようとすると店主がチッチッチと指を左右にふり、おもむろに茶色い液体をタルトにかけて右手に隠しもっていたライターの火を近づける。僕のタルトは一瞬青い炎につつまれた。どうやらブランデー(後にカルバドスというこの地方名産のお酒と判明)をかけて火をつけるという演出らしい。今で言うところのドヤ顔というやつでニコニコと僕をみつめる店主の手前「わおーー!」と大げさにおどろいてみせるフリをしたが、実のところ僕はまったくお酒が飲めなかった。カルピスサワー1杯で酔いつぶれて寝てしまうほどに弱かった。

なぜそのままで美味しいタルトにブランデーをかけてすべてをぶちこわしてしまうのか。意気消沈して食べたタルトはあたりまえだが「お酒の味」がした。

フランスでフランス語ができないことの難しさを実感した。

 

ドーヴィルではいろいろな経験をした。昼ご飯を食べにレストランに入ると、横で推定70台のおばあちゃん二人組がワインを二本空けているのには驚いた。レストランの少なさにも驚いた。もちろん道を歩いていても看板が気づきにくいだけだったのだろう。ただ当時の僕にはホテルの人や道行く人にレストランの場所を聞く勇気も英語力も無かった。冬のビーチは人の気配がなく寒々しかった。最初に入った何軒かの店で英語で話しかけて、あからさまに嫌そうなそぶりをされた。数日の間、言葉を交わすのはホテルのフロントの英語が堪能なスタッフだけ。孤独を感じる日々だった。

 

そうそうエトルタにもいってみた。タクシーに乗って30分くらい。白い砂浜の先に断崖がある光景はガイドブック通りに美しかった。持っていた使い捨てカメラで写真をとった。時間だけはあるのでウロウロ歩き回ったが記憶にのこるようなものはなかった。

 

帰りもタクシーにのったが、今度は45分もかかった。ぼったくられたのだろう。

 

こんな閑散とした町で日本人にも遭遇した。その日僕は手持ちのお金が尽きてしまい、銀行にでかけた。あいにくその日は銀行が定休日で両替できなかった日本円を片手に「明日まで残り少ない現金でどう生きのびるか?」を考えながら、すごすごとホテルに帰る道すがらだった。町のはずれで日本の若い女性4人組とすれ違った。すれ違い様向こうが「こんなところにも日本人いるんだねぇ」と話しているのが聞こえた。

事情を話して日本円を両替して欲しいとおねがいしてみるという名案が浮かんだが、それを実行に移す勇気はなかった。

 

ドーヴィルにはけっきょく5泊くらいしただろうか。あの町でコミュニケーション能力ゼロの僕がどうやって過ごしていたのか今となっては不思議である。ただ新しいレストランを試すのが怖くて、例のタルトは滞在中三度もたべた。やることがなくホテルの部屋でただ寝ていた日もあった。

 

この文を読んだ方は楽しかったのか疑問に思われるかもしれないが、僕にはこの旅は楽しかった。自分で行き先を選び、気ままに行動することが。日本に帰ってからは友達に経験をちょっと大げさにして伝えた。

「突然海がみたいと思いたって、北をめざしたよ。なんかみんなが行くような観光地はいやでさー」

「いやー、フランス人は全然英語下手だね」

計画性の無さや自分の英語力が足りてなかったことは棚にあげて。

 

ただこの旅でコミュニケーションできないとどうにもならんという状況をはじめて経験した。世界は広く僕らが理解できない言葉で談笑し、昼間からワイン2本をあける怪物のようなおばあちゃんがいるということを知った。コミュニケーションがとれない世界で自分がどれだけ無力で孤独かを知った。世界ってやつを初めて実感した瞬間だった。

 

その後、仕事でもプライベートでもいろいろな場所にいったが、あの時ほどの孤独を感じたことは一度もない。もしこの卒業旅行の行き先がハワイのような日本語でも通じる場所だったら、あるいは僕が友達と旅していたら、今ほどコミュニケーションがとれないことに対する危機感は抱くことはなかったかもしれない。そう考えるとやはり人生の一つの分岐点だったのではないかと思えて仕方ない。

 

だから今、コミュニケーションがとれない世界で苦しんでいる人をみると、誰でも最初からうまくいくはずがないし、高い壁を感じた人の方が危機感を持つぶんだけこれから伸びるよといいたくなる。

いやちょっと違うな。最初からどんな壁もとっぱらって打ち解ける才能を持った人がいるのは事実だ。僕にその才能はないけれど、語学などのテクニックにすぐれていたり、人柄やエネルギーでまわりを引きつける人をたくさん見てきた。

だから僕がいいたいのは、コミュニケーション能力は後天的にも身につくから心配しなくていいということなんだろうな。

Nov 6, 2011

10月の光景

休みをとって気持ちをいれかえた10月を振り返る。

10/1 ミャンマー出張で疲れているところに変なものを食べたのが原因で腹を壊した。帰国して日本のご飯のほっとする美味しさに癒される。

10/4 今年初めてサンマが食卓に。シンプルな塩焼きがうまい。

[caption id="attachment_2501" align="aligncenter" width="600" caption="芸術的焼き上がり!"][/caption]

 

10/8  8月9月と時間がなかったので遅めの夏休みが今になった。予定通り彼女と約一週間のボルネオ旅行へ出発。韓国でのトランジットの待ち時間が5時間以上あったので仁川空港を歩き回ったが、成田と違って新しくてキレイである。深夜12時をまわったころにコタキナバルのホテルにチェックイン。

10/9 コタキナバルの市内では毎週日曜にマーケットが開かれるというのでいってみることに。チャイナタウンの色が濃い通りの両側にところ狭しと即席の店が立ち並んでガラクタから美術品まで売っていた。アングリーバードの関連グッズが人気のようだったが、あれは公式な商品なのだろうか?

[caption id="attachment_2503" align="aligncenter" width="600" caption="猫はおそらく食用。。。"][/caption]

[caption id="attachment_2504" align="aligncenter" width="400" caption="辛そうなチキンをやく笑顔の素敵なおばちゃん"][/caption]

[caption id="attachment_2505" align="aligncenter" width="400" caption="ポストは黄色。作業は1人でやったほうがいいかも。"][/caption]

 

10/10 コタキナバルから船にのって20分ほどのところにあるサピ島で人生初スキューバダイビング。そもそも海に入ること自体が久しぶりで、飲んでしまった海水のしょっぱさに驚く。水中でインストラクターにイソギンチャクに触るように促されたので指をのばすと、触手がプチプチと絡み付く変な感触。おもしろい。スキューバはいつかちゃんとやってみたいなと思った。

[caption id="attachment_2506" align="aligncenter" width="600" caption="サピ島。シュノーケリングしてる人が左側に。"][/caption]

海からあがるとあいにくの雨。コタキナバルは今が雨期で、朝は天気よく、午後にかけて崩れるというパターンが多いらしい。結果から言えばこの日がもっとも雨が強く、雨期というわりに雨はふらなかったので助かった。

[caption id="attachment_2507" align="aligncenter" width="600" caption="生け簀の海老をそのまま料理してくれるレストランで。"][/caption]

10/11  キナバル山とポーリン温泉を訪れるツアーに参加した。今回の旅行は飛行機もホテルも全て自分たちで手配して2人で行動していたので、ガイドさんにお任せ出来るのは楽である。
ホテルからマイクロバスにゆられること3時間近く、キナバル山とその麓にある植物園を見学した。昼食は近くのレストランに連れて行かれる。同じマイクロバスに乗り合わせたイギリス人カップル、フィンランドの若いお姉さん、日本人のおじさんと食卓を囲み、食べ物を分け合う。みんなとても旅慣れている人たちであったが、この昼食には戸惑いを隠せない。

[caption id="attachment_2508" align="aligncenter" width="400" caption="キナバル山"][/caption]

昼食後に熱帯雨林の木々の上に張り巡らされた橋をあるくキャノピーウォークというのに挑戦してみた。結構な高さはあるが、森に包み込まれているようで、怖さはない。大きなリスに出会ってこのたび一番の写真をゲットした。ポーリン温泉は一言で期待外れだった。

[caption id="attachment_2509" align="aligncenter" width="600" caption="木々を結ぶ空中回廊を歩く"][/caption]

[caption id="attachment_2510" align="aligncenter" width="600" caption="大きなリスが、写真左下の実を器用につまんで食べていた。お食事中お邪魔してすいませんでした。"][/caption]

 

10/12-13 ホテルのプールで遊んだり、海で泳いだりした。今まで日焼け止めというものは単なる気休めで、SPF50ってのはレモン50個分のビタミンC程度のありがたさだと思っていたが、この旅で考えを改めた。日焼け止めは効く。13日の真夜中の便で成田へ帰国。楽しい旅だった。

マレーシアはKLとマラッカに行ったことがあって、どこも東南アジアにしては快適な国という印象だったが、コタキナバルもいい町だった。また行ってみたい。今度はオランウータンを見に。

[caption id="attachment_2511" align="aligncenter" width="600" caption="バクテーは佑紀肉骨茶がよかった。"][/caption]

 

10/17 仕事に復帰。未読メールを通常時の2倍のスピードで処理していく。淀みなく、歪みなく。やっぱり人間休むことは必要だなと改めて思う。

10/26 来年1月のハーフマラソン(フロストバイトロードレース)にエントリー完了。大会という目標もあるし、この冬は定期的に走ってインフルエンザに負けない抵抗力をキープしようと思う。

10/27 高田馬場で飲む。帰宅後夜中の2時に強烈な吐き気で目が覚める。たしかにこの日、食べたあのレバ刺しは今まで経験ないくらいにコリコリだった。レバ刺しを呪いつつ、眠れない夜をすごす。翌日は2ヶ月前からの予定が入っていたが体調不良でキャンセル。申し訳ないことをした。

[caption id="attachment_2512" align="aligncenter" width="450" caption="ワンコも心配そう"][/caption]

 

あと細かいところではこのブログのサーバをAWS Tokyo regionに移した。レスポンスが良くなってよかった。
11月は忙しくなりそうだけど、エネルギー充電は完了しているので乗り切れそうだ。

 

Nov 1, 2011

神保町・竹橋ランチ戦記

さかのぼること6年前、転職して神保町で働くことになった。僕は途方にくれた。それまで働いていた目黒は飲食店も弁当屋も選びたい放題だった。美味しい店、安くて量の多い店なんでもあった。ところが神保町は通りを歩いていても店が少ない。
「食べるところがない」それが最初の印象だった。それから6年、いろいろと試したあげくだんだんと定番のお店ができてきたのでまとめてみたい。

魚楽洞

神田の隠れ和食店でその名の通り魚料理がうまい。刺身定食や金目鯛煮付け定食などの定番は値段(800-1000円)に見合った整ったお味。この店のすごさは季節毎に用意されるメニューもほぼ間違いなく美味しいことである。牡蠣フライ定食とかうまかったなぁー。平均点の高さではこの近辺では頭一つ抜けた感じがある。
ちなみに取引先のベトナム人を連れて行ったら、奧から店主が出てきて臆せず日本語で「私は昔大使館でも料理したことあってね!」と説明をしてくれて、その言葉の技巧を超えたコミュニケーション能力に圧倒された記憶がある。

この日のメニューはロールキャベツ。プロが作るのは全然違う。

ティーヌン神保町店

一見入りにくい地下への階段を下りると、しごく狭い店内にタイの小物がこれでもかと飾ってある。それがティーヌン神保町店である。
ここではトムヤンクンラーメンがオススメ。すっぱ辛いスープに麺は極細、中細、太めのビーフンもしくは中華卵麺から好みで選べる。確か850円。その他ガパオの持ち帰りなども忙しい時には便利。
トムヤンクンラーメンが好きすぎて、週に一度はティーヌンに行っている。先日海外出張中でしばらく食べられなかった時には夢に出てきた。それくらい好きだ。

ティーヌンのトムヤムクンラーメン。もやしトッピング

グリーンパッタイ

靖国通りからちょっと裏に入った路地のタイ料理店。いつも女性グループが多く、賑わっている。ランチはあっさりタイラーメンとガパオのセットで890円。ボリュームがあるのでお腹がすいている時によくいく。どのメニューも日本人好みにアレンジされていてパクチーが最初からのせられている料理はみたことない。
席のバリエーションが多く2人でも8人でも自在に対応してくれるのも嬉しい。

覆面 智

神保町からほど近い、看板を出さないラーメン店。細めの縮れ麺に、魚介中心の非常に濃厚な出汁のスープを合わせる。覆麺(正油)780円が定番で、麺の量は200gがこの店の「普通」である。
このスープを塩辛すぎて飲めないと思うか、うまみが凝縮されていて堪らないと思うかは人それぞれ。僕はとてもうまいと思う。初めての人は麺少なめをオーダーして様子を見よう。店主は多分「いやいや普通盛りいけるでしょ」と食べさせようとするでしょうが。
昔は会員制で、店主も覆面レスラーのような有様だったが、最近はだいぶビギナーにもやさしい雰囲気を出すようになってきた。そうこれでも大分やさしくなっているのだから文句を言わずに食べて欲しい。
不定期にある塩ラーメンの日はとくに混むので注意。

二代目つじ田 神田御茶ノ水店

神保町からはかなり遠い小川町駅にほど近いラーメン屋。定番はつけ麺(880円)である。麺に半切りになったすだちが添えられていて、これを麺にしぼることで濃厚なスープと甘みの強い麺でもったりしそうな口の中がさわやかになる。最初に考えた人に拍手!
京都産の黒い胡椒もあり、これもよいアクセントになる。
注意点はランチでいくには遠く、たいてい行列ができていることである。雨の日などにピークを外してささっといく店。

のらぼー

神田神保町エリアに点在するうどん屋。店舗によって多少メニューが違う。ランチセットか鳥天おろしうどんがおすすめ。鳥天おろしの天ぷらは脂たっぷりの鳥もも肉をつかっている。カリカリ衣と柔らかい鶏肉とうまみのぎゅっとつまった脂の組み合わせが最高にうまい。塩をちょっとふるとさらにうまい。この天ぷらだけ頼もうとしてもトッピングの天ぷらメニューにはかしわ天しかない。というわけで鳥天をたべるために鳥天おろしうどんを頼んでいるのである。いわばうどんはオマケだ。
なお夜メニューのハルピンキャベツは柔らかい発酵臭とキャベツの甘さのコンビネーションが最高である。試して欲しい。

のらぼーの昼定食

丸香

讃岐うどんの超有名店。11:30から14:00まではだいたい行列ができているので、昼食をちょっとずらしてとれる時にだけ訪れることにしている。
うどん、そばの美味しい店は求道者的なストイックさがあることが多いが、丸香は明るい体育会系の雰囲気で安心である。
僕の定番はかけうどん(380円)にげそ天(180円)。釜揚げうどんに卵と生醤油で食べる、釜たま(460円)も人気が高い。

やきとり屋神保町

狭い路地にある「やきとり屋」というひねりの無い屋号の焼き鳥屋である。このパターンは外れのお店が多いと思われるかもしれないが、どっこいこの店は穴場である。
メニューをみながら迷う楽しみは存在しない。あなたの選択肢は3つ親子丼(小)、親子丼(中)、親子丼(大)でいずれも900円。要は親子丼しかない。
それでも新鮮な鶏肉とオーダーのたびに一つ一つ丁寧に用意されるとろとろ溶き卵のコンビネーションは抜群である。二階席で接客しているお姉さんを僕はひそかに「神保町の佐々木希」と呼んでいるのはどうでも良すぎることである。
これが「小」、小はサラダがつく

まぐろ市場 神田小川町店

マグロを使った丼を出すチェーン店。オクラ、納豆、いかなどがちりばめられたバクダン丼(590円)がうまい。いや特別うまいかと言われるとそうでもないかもしれない。変哲もないバクダン丼である。つまり僕は特別バクダン丼が好きなのである。のり汁(50円)をオーダーすると満足度はさらに高い。

カギロイ

古い日本家屋を改装したおしゃれな鉄板焼き屋。むしろ夜がおすすめである。味噌にこだわっていて、ランチは豚味噌漬けを焼いたの(900円)がうまい。味噌汁も日によって味噌を変えたりと工夫をしているようだし、ご飯もつやつやと光っている。カウンターでも二階席でも独特の雰囲気が味わえるはず。ただし二階席は正座に慣れていない外国人は連れて行かない方がいいかもしれない。そういえば大震災の翌月曜(3/14)に会社の同僚とここにご飯食べにいったが、あの日だけは鉄筋コンクリートのお店にいくべきだったかもしれない。
日本通な外人はよろこぶ

担々麺本舗 辣椒漢

比較的新しい担々麺の店。日本式にアレンジされていないオリジナルの担々麺を出すのが売りである。担々麺は汁がなく、酸っぱくて辛い。それもただ辛いのではなく、口の中がビリビリしびれる辛さである。辛いモノはそこまで好きでないという人も一度あのびりびりを味わう価値はあるんじゃないかと思う。ただ麺の量が少ないのでいつももう少し食べたいなぁと思いつつ店を出る羽目に。
午後に面倒なミーティングがある日に一人でいって、黙々とビリビリをやっつけ、午後のネチネチに備えるのであーる。
正宗坦々麺850円。僕が好きなのは酸辣伴麺850円。どちらも辛い。

キッチン南海

スズラン通りにある老舗の洋食店。定番はルーがドス黒いカツカレー(700円)である。脂っこい料理は苦手だが、南海では揚げ物には必ずキャベツの千切りが添えられていて、するっと食べられてしまう。カレーの次に好きなのは生姜焼きかイカフライ(どちらも700円)。
冬の寒い時期には、南海の熱々カレーと店内の熱気で暑苦しくさを感じつつ食べ終えて、店を出た時のひやっとしたさわやかな風を楽しむのがよい。
なお適当そうに見える接客担当のおばちゃんがどうやって注文を覚えて、客をさばいているのかは神保町七不思議の一つとされている。

新世界菜館

神保町は歴史ある中華料理屋が多い。その多くは歴史だけが売りでぱっとしない。冷やし中華発祥の店として名をはせているあの店などは、僕の中ではイマイチな店リストに入っている。そんな中で新世界菜館はいまも元気に美味しい料理を出してくれる安心感の高い店である。ランチは1200円と高いが値段に見合った上品な中華を出してくれる。さらにこの店はカレーもうまい。こんな正統派の中華料理屋でカレーというのもおかしいが、一度は試す価値あり。
このエリアには松岡という中華の名店があったのだが、閉店してしまった。新世界菜館の価値がさらに高まった。

大戸屋 神田神保町店

言わずとしれた定食チェーンの大戸屋は神保町にもある。なぜか、ひじきご飯がたべたくなるときが3ヶ月に1度くらいあり、ひじき目当てに行列にならんでしまう。

百人亭 竹橋パレスサイド店

毎日新聞社ビル(パレスサイド)はランチ不毛地帯である。ビルの地下には場所がいいというだけでお客が入ることに慣れきった緊張感のない飲食店がたち並ぶ。かと思えばマクロビの店のように気合いが入りすぎて客がリラックスできない店もあり、控えめに言ってテナント選んでいる人はセンスが悪い。多分ぼくらは問われているのである。
・皇居を見下ろすレストランアラスカで世界経済を語りつつ3000円のランチを食べるのが幸せか?
・近くのホットモットでのり弁当(290円)を買って皇居の広場で青空を見上げて食べるのが幸せか?
ランチごときで生き方にまで話が飛躍するパレスサイドビルおそるべし。。。
さておき百人亭はそんなビルの中にあってわりと使い勝手の良い店である。まず店内が広い。そして牛タンととろろを出すのは近辺ではここくらいだと思う。高度経済成長を支えた歴戦の猛者達と、彼らが遠慮なく吐き出すタバコの煙はご愛敬。「末席をよごさせている」という自覚をもちつつ、牛タンを噛みしめるのがこの店でのマナーである。

矢の根寿司 神田錦町店

美味しい鮨屋はたいてい敷居が高い。矢の根寿司は個室が多く、カウンターで大将に監視されることなく同僚とわいわい美味しい鮨を食べられるという店においてポイントが高い。
ランチの握りは1000円から。

アルカサール

肉料理の店だがハンバーグしか頼んだことがない。ハンバーグを頼むと、外側だけ軽く火をいれた俵形のハンバーグが鉄板に乗ってやってくる。店員さんがそれを目の前で真っ二つに切り、生の部分を鉄板におしつけ、ソースをかけてくれる。ジュワーという音をききながら30秒ほど待つとだいたい食べ頃。
ランディ(http://r.tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13000283/)の方がうまいというブログをみたが、同感である。ただランチは近さや入りやすさも重要ということで。




現在定番に加えるべき店を鋭意新規開拓中なのでアドバイスもとむ!