長らくビール以外飲めない私も、最近ウイスキーがおいしいと思えるようになりましてね、飲めるようになると、もっと安くて美味しいウイスキーはないかな?あのバカ高いウイスキーは本当にうまいのかな?なんてことに興味がわいてくるのです。
そんなわけで、カップやきそば以来久々に神をも恐れぬ仲間たちとウイスキー29種類が集結!ここに独断と偏見でうまいウイスキーを決める、ウイスキーワールドカップ(以下ウ杯)が開催されたわけです。
その結果を前編と後編に分けてブログにしました、まずは前編(予選リーグ編)をご覧下さい。
整列した29選手、心無しか緊張の面持ち |
まずはウ杯のルールを説明しよう。
大会ルール
- まず参加選手は予選リーグを戦う。くじ引きによりA組からH組までの8つのグループに分けた。予選リーグではグループ内の全てのウイスキーを担当する審判が2名で試飲する。おいしいと思う順番に点数をつけ、もっとも得点をあつめた選手が決勝トーナメントに進出する。
- 決勝トーナメントは予選を勝ち抜いた8選手によるトーナメント戦である。審判5人が美味しいと思う選手を二者択一で選び、多数決で決めていく。
- どちらも原則として試飲中に審判にはブランド名を知らせない。またウイスキーは水と1対1で割る。
くじ引きが終わりグループ毎に整列した各選手。箱に入ったままのボウモア12年選手(最前列左)は他の選手との交流を完全拒否。 |
審判
ウ杯の審判は総勢5名。いずれも酒は好きだけれどもウイスキーマニアではない。日頃ウイスキーが大好きという人は正しい知識に満ちた真っ当な審判をし、ウ杯のばかばかしさを損なうと判断し、今回はあくまでウイスキー素人5人が審判を行う。
- 審判A: 30台男子。テキーラを中心になんでも飲む酒好き。味の表現の豊富さに定評有り。
- 審判B: 40台男子。日本酒を中心になんでも飲むウインドサーファー。利き酒イベントでの勝利経験あり。
- 審判C: 20台男子。なんでも勉強家。ウイスキーのうんちくをかたって、合コンでもてたい。写真撮影をあわせて担当。
- 審判D: 20台女子。好きな酒はワイン、ウイスキー経験ほぼ0。
- 審判E(自分): 30台男子。好きな酒はビール、ウイスキーは経験少ない。もっとも酒弱い。ウコンの力ドーピング済み。
予選リーグ
それでは29選手が8つの席を争った予選リーグの結果をA組から見ていく。選手の横に書いてある数字は実売価格を参考として記載した。(なお多くのウイスキーはインターネットでミニボトルセットを購入したので実際にはこんなにお金はかかっていない。コンビニで手に入る手軽なものから、海外のシングルモルトまで流通量の多いウイスキーを集めた。)
赤字が見事勝利し決勝トーナメントに進出を決めた銘柄である。
グループA |
A1 スーパーニッカ 1850
A2 サントリー響17年 7765
A3 ニッカ VSOP 2190
A4 サントリー オールド 1480
結果:響17年とニッカVSOP 9点、スーパーニッカ 7点、サントリーオールド4点
同点の場合は2人の審判のうち主審の採点が優先されるというルールにしたがい、響17年が決勝に進出した。勝因は樽の香りが感じられる「ちゃんとしたウイスキー感」である。僅差でやぶれたニッカVSOPも甘くフルーティーと高評価された。
グループB |
B1 ジョニーウォーカー赤 1250
B2 ニッカ 鶴 17年 8100
B3 ザ・マッカラン 12年 3730
B4 サントリー 山崎 12年 6157
予想: いずれ劣らぬ強豪ひしめく死のグループ。同じく優勝候補の鶴17年選手の独走を中堅の12年組2人がどう止められるかに注目。
結果:マッカラン12年 10点、鶴17年 8点、ジョニー赤 6点、山崎12年 4点
奇しくも2人の審判がまったく同じ判定をくだした。マッカランはその甘さと華やかさが評価された。鶴17年についてもバランスがよいと好評価で1位2位の差はわずか。「奥から安物感」などと酷評された山崎12年選手。コンディショニングに失敗したか?
グループC |
C1 ワイルドターキー 8年 700ml 2362
C2 ジャックダニエル ブラック 1799
C3 ジェイムソン スタンダード 2020
C4 ニッカ ピュアモルト 竹鶴 12年 3980
結果:ジェイムソン 10点、ワイルドターキー8年と竹鶴12年 7点、ジャックダニエル黒 4点
ジェイムソンは審判に「チーズに合う、重い、頑固オヤジ」などとコメントされ苦戦しているかに見えたが、勝負結果は圧勝であった。ターキー8年は香りが甘くスパイシーで飲みやすいと好評。竹鶴12年には「フツー、遅れて華やかさがやってくる感じが高校デビューって感じ」というコメントがついた。ジャックダニエル黒は人によって「コーヒー感、化学薬品感」があり、苦めなのではないかと推察される。
D1 ボウモア12年 3043
D2 フォアローゼズ 1280
D3 サントリー 白州 12年 6580
D4 サントリー響12年 3999
結果:白州12年 10点、響12年とボウモア12年 7点、フォアローゼス 4点
白州12年は「香りでおびきよせておいて、全然違う味でおどろかせる」「ワイルドバットフォーマル、千代の富士(現九重親方)のよう」と圧倒的な支持を得て貫禄勝ちであった。ボウモアは潮味のみがクローズアップされ、響12年は「天才なのに練習嫌いで世界チャンプになれないボクサー」というな謎の評価をうけた。
グループE |
E1 オールドパー 12年 2835
E2 ニッカウイスキー ザ ブレンド 45% 3070
E3 ニッカ 竹鶴 12年スリムボトル 3980
E4 ブラックニッカ 300
結果:ザブレンドと竹鶴12年 9点、ブラックニッカとオールドパー12年5点
竹鶴とザブレンドが好評価を得、主審ジャッジでザブレンドが決勝トーナメントに進出した。「竹鶴は刺激的でつんつんしている不良のよう」という評価に対して、ザブレンドは審判両方が「よくわからないけどバランスがよく一番好きな味」という試合巧者ぶりを発揮した。なおブラックニッカは「新歓コンパでのまされたあの思い出がフラッシュバックする」というベテランらしさをのぞかせた。
グループF |
F1 ザ・グレンリベット 2312
F2 ヘネシーVSOP 8990
F3 サントリー 山崎 10年 3675
結果:ヘネシー と山崎10年 9点、グレンリベット6点
主審ジャッジでヘネシーが決勝トーナメント進出した。ヘネシーは香りがとてもよく、飲んだ後もその甘みが上品に口の中に広がるという。日本のウイスキーと勘違いした審判もいた。定番シングルモルトのグレンリベットは低調。山崎10年ははかなく可憐な味がするという高評価とアルコール臭がたち酸味があるという評価に大きくわかれた。
グループG |
G1 トリス 400
G2 シーバスリーガル 12年 2150
G3 サントリー ローヤル 2880
予想:トリスのCMの吉高由里子が好きだ!!!
結果:ローヤル 10点、シーバスリーガル12年 8点、トリス 6点開幕戦から飲み続けた結果審判にも疲れが見えだしたGグループ。ローヤルが勝利した。トリスについては甘みがつよく、シーバスリーガルよりも好きという審判もいた。
グループH |
H1 ジンビーム ホワイト 1280
H2 ジョニーウォーカー黒 2399
H3 ニッカウィスキーゴールド&ゴールド 1750
予想:英米日のお手頃価格選手によるリーグで結果が興味深い。
結果: G&G 10点、ジョニ黒とジンビームホワイト 7点G&G選手は完全ノーマークであったが、「透明度が高いプールの様」という評にもあるようにスッキリとした味が多いに評価された。ジンビーム含めバーボンはその匂いがだめという審判がいたため評価が低調である。負けてしまったがジョニ黒は渋く激辛な複雑な味が「大人の酒」という評価に繋がった。
いよいよ決勝
こうして8強がきまった。
B3 ザ・マッカラン 12年 3730
C3 ジェイムソン スタンダード 2020
D3 サントリー 白州 12年 6580
E2 ニッカウイスキー ザ ブレンド 45% 3070
F2 ヘネシーVSOP 8990
G3 サントリー ローヤル 2880
H3 ニッカウィスキーゴールド&ゴールド 1750
本命響17年選手や死のBグループを生き残ったマッカラン選手が勝つのか?それともG&G選手やジェイムソン選手のようなお手軽価格クラスが飲みやすさに乗じて勝つのか?そしてブランデーであるヘネシー選手がこのまま勝ち進んだ場合、果たして大会はどうなってしまうのか?ウ杯はいよいよ白熱の決勝トーナメントへと続く。
いずれ劣らぬ猛者ぞろいの8強。ウイスキーワールドカップを制するのは果たして。 |
続きを読む -> ウイスキーワールドカップ(決勝トーナメント編)