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Jan 12, 2010

Amazon AWSの約款には結構エグイことが書いてある


EC2を使い始めてはや半年以上が経過した。セキュリティの調査目的、つまりは自分のパソコンではやりたくない作業に使おうと思って契約したのだが、あらためて約款を読んでみると、IDSを動かすのも微妙なのではないかという位にその用途を縛っていることがわかった。


「え?約款て何??」という方も多いと思うが、EC2やS3をはじめとするAmazon AWSを使っている人は例外なく加入時に約款(ユーザーアグリーメント)を承諾しているんです。


これがその実物。http://aws.amazon.com/agreement/


f:id:kkomiyama:20100113003547p:image



こんな長い約款を読んでいる人なんていないと思うので注意すべき点を書いておく。僕もあまり真面目に読んでないので、このエントリーをみて引っかかった人は是非原文をあたって下さい。



AWSでのご法度/禁則事項


お金を払わないと強制退会になるのは当然として、AWSを使ったDoS攻撃なども全て禁止、即利用停止の対象である。



3.4.1. (i) ユーザがDoSを行った (ii) Amazonに対する攻撃、セキュリティ脆弱性探し、他のユーザの不利益になることを行った (iii) サービスの提供を妨害する行為を行った (iv) 支払いが滞った場合や利用料金が不自然に増加した場合 (v) Amazonによりユーザのアカウントが乗っ取られている、あるいはユーザが何らかの詐欺の被害者になっていると判断された場合 (vi) AWS コンテンツ (セクション 6.1) やマーク (セクション 6.2) を使用許諾に反して利用した場合 (vii) AWSをイリーガルな活動に使用した、あるいは他者の権利を侵害した場合 (viii) 分からん or (ix) ユーザが破産した場合




3.4.2. クレジットカードの引き落としが出来なかった場合などの通知がAmazonから行われて15日以内に返信しなかった場合。



15日以内というのは結構厳しい。AWSからのメールはわかりやすく振り分けないといけない。


稼働するアプリとその通信には責任をもって


EC2などで稼働するアプリにはユーザが全ての責任を負うことが繰り返し強調されている。


アプリケーションの検閲

そしてAmazonが必要と判断した場合にはアプリケーションの実態をコピーして提出しないと行けない。



4.4.1. オンラインアプリ(Webアプリと同義とおもわれる), Amazonが不正利用取り締まりのために、定期的にアプリケーションの稼働状況をクロールし、監視することに同意する。




4.4.2. クライアントサイドアプリ, Amazonが不正利用取り締まりのために必要と判断した場合、ユーザはアプリケーションのファイルをコピーしてAmazonに提供することに同意する。



提出を求められる条件はAmazon側が広めに解釈できるように書かれている。クライアントアプリのバイナリのコピーを渡すとかありえないと思うんだが。


EC2からのポートスキャンは禁止、オープンプロキシも禁止

いくつかの用途は約款で禁止が明確にうたわれている。具体的には以下のとおりである。



5.4.5. Network. 以下のような通信は禁止


プルーブや脆弱性のためのポートスキャン(原文にport scans for vulnerabilitiesてある。意味わからんね)


許可を得ていないペネトレーションテスト、通信、その他アクセス権のないシステムにログインしようとする行為


クロールされる側のサーバに負荷をかけるような、レートコントロールされていない、過剰なWebクロール


許可を得ていないネットワークモニタリングとパケットキャプチャ


ソースアドレススプーフなどプロトコルヘッダーの改ざんやnon-standard protocol headerの使用


フラッディング(L2の話か?)


あらゆる種類のDoS攻撃



そして、以下のネットワークサービスの稼働は認められていない



オープンプロキシー


オープンリレーサーバ


公開再帰DNSサーバ



実際には数カ月前からオープンプロキシを動かしていても、時々ポートスキャンしても何も言われないので、目立たなければ寛大なAmazon様がお目こぼししてくださるということと思われる。


が、原則禁止と約款に書かれていることの意味は大きい。



SPAM送信禁止


AWSを使ってSPAM送信することは禁止である。これも約款の中で繰り返し強調されている。



サービスの目的の制限


以下のようなサイトはAWSでホストすることが許されていない。



5.4.6. Services and Applications. 以下のようなサービスを提供することはできない。


ギャンブル関連全般


児童ポルノを含む全ての違法行為を助長するもの


特定の性や信仰、国籍、障害、性的志向、年齢などを避難するもの


フィッシング/ファーミングサイト


マルウエアやウイルスはじめあらゆる種類の有害プログラムを掲載しているサイト


第三者の権利を侵害するコンテンツ



逆に言えばAWSで稼働する、上記の目的のサイトを発見したらAmazonに報告したら高確率で止めてくれるということなんだろう。(と、ちょっと仕事のことも考えてみる。)


同人サイトなんかはAWSを使わない方が良さそうだ。



類似ドメイン名の使用禁止



6.2. Restrictions with Respect to Use of Marks. “amazon.mydomain.com”, “amaozn.com” or “amazonauctions.net” などのユーザがAmazon公式と勘違いする可能性のあるドメインネームを取得し、AWSで利用することは禁止。



確かにAWSのネットワーク内に“amazonauctions.net”が稼働していたら本家Amazonと勘違いしてしまうので理解はできるが、“amazon.mydomain.com”などサブドメインにいれることまで禁止するのはどうなのよ?


自分の身は自分で守れ


特にEC2ではAMI(イメージ)が最初から細工されている危険性が常にあるが、これについてAmazonは「検査はユーザの責任」と謳っている。



11.6.6. AMI(EC2でのOSディスクイメージ)はAmazonの検査やスクリーニングを受けていないことを了承する



AMIの安全確認は自己責任で。



補償は一方的に


この約款によると、メンテナンスや障害などでAWSのサービス提供が中断することをユーザは無条件に了承している。そしてそれに対するAmazonからの補償などは存在しない。



7.1. ダウンタイムとサービス停止. (i) サービスのアクセスが停電などにより一時的に出来なくなることがある (ii)以下の3つのいずれかの場合にも通告なくサービスが停止する (a) サービスメンテナンスのためのスケジュールダウンタイム (b) サービスが外部からの攻撃を受けた場合や、Amazon内から外部への攻撃が行われサービス停止しないと第三者への攻撃を遮断できない場合 もしくは (c) いずれかのサービスが不適切・反社会的とAmazonが判断した場合。ただしこれらによって引き起こされるいかなる被害についてもAmazonは補償の責任を負わない。



一方でユーザの過失でAmazonのサービスに悪影響を与えた場合、これをユーザが賠償することになっている。



12.1. 全般. 以下の場合についてユーザがAWSを使用した結果として発生した被害について賠償をすることを了承する (i) 本約款や関連法規に抵触する用途でAWSを用いたとき など



怖いですね。



まとめ


クラウドサービスの利用は今後も増えていくだろうし、増えて欲しいとも思っている。一方でクラウドサービスの場合、データもアプリケーションも丸ごと誰かに預けることが多い。あらゆるものが雲の中に置かれ、その責任や権利も曖昧になりがちである。


だからこそ(Amazonに限らずクラウドサービスプロバイダーと契約するときには)約款をよく読んで、彼らに裏切られた時の最悪の事態を想定しておくことが大切だと思う。他でもないあなた自身が承認したAWSの約款では、Amazonに大きな権利を認めているのだから。





続きを読むをクリックすると、約款の他の部分も適当に日本語に訳したものが出てきます。



1. サービス


1.2. 有料サービス


ここで定義されているAmazon AWSの有料サービスとは下記の通り


Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)


Amazon CloudFront


Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS)


Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)


Alexa® Web Information Service (AWIS)


Alexa® Web Search


Alexa® Top Sites


Amazon Flexible Payments Service (Amazon FPS)


Amazon DevPay Service (Amazon DevPay)


Amazon SimpleDB Service (Amazon SimpleDB)


Amazon Elastic MapReduce


Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC)


Amazon Multi-Factor Authentication (Amazon MFA)


Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)


Amazon Web Services Premium Support (AWS Premium Support)


If you use Amazon FPS, you may incur fees for transactions that you submit through the Payment Service provided by Amazon Payments, which is described in Section 5.6 below. We may, in our sole discretion, (i) begin charging fees for a Free Service, in which case such Service will thereafter be deemed a Paid Service, or (ii) cease charging fees for a Paid Service, in which case such Service will thereafter be deemed a Free Service.


2. 本約款への変更があった場合


最新のユーザアグリーメントや約款はこのURLに掲載される。 http://developer.amazonwebservices.com/connect/index.jspa.


無料サービスを含む一部のサービスの変更はここに掲載された瞬間から有効となる。既存の有料サービスに関わる約款の変更などが会った場合、1)掲載の15日後 もしくは 2)Webでクリックして承諾を求める画面でユーザが承諾すると有効となる。


3. 解約と利用停止について


3.3. Amazonがユーザを強制解約させる場合について


3.3.1. 無料サービスの場合. セクション15に書かれている手続きをとるものの、基本的に即利用停止


3.3.2. (Amazon FPS と Amazon DevPay以外の)有料サービスの場合. Amazon側に何らかの事情がある場合、60日前にユーザに通知れば強制退会させることが可能。


3.3.3. Amazon FPS と Amazon DevPay. 即利用停止


3.4. 訳あり退会. 以下に書かれているような条件に当てはまった場合、即退会させられる


3.4.1. (i) ユーザがDoSを行った (ii) Amazonに対する攻撃、セキュリティ脆弱性探し、他のユーザの不利益になることを行った (iii) サービスの提供を妨害する行為を行った (iv) 支払いが滞った場合や利用料金が不自然に増加した場合 (v) Amazonによりユーザのアカウントが乗っ取られている、あるいはユーザが何らかの詐欺の被害者になっていると判断された場合 (vi) AWS コンテンツ (セクション 6.1) やマーク (セクション 6.2) を使用許諾に反して利用した場合 (vii) AWSをイリーガルな活動に使用した、あるいは他者の権利を侵害した場合 (viii) 分からん or (ix) ユーザが破産した場合


3.4.2. クレジットカードの引き落としが出来なかった場合などの通知がAmazonから行われて15日以内に返信しなかった場合。


3.4.3. AmazonからAWSの利用について修正を求められ5日以内に対応が行われなかった場合。


3.5. 一時停止処分と退会処分時の課金扱い.


3.5.1. 一時停止処分. 一時停止処分中も全ての利用料金は使えているものとして課金される。


3.5.2. 退会処分. 同上。


3.6. Survival. In the event this Agreement is terminated for any reason, Sections 3.5, 3.6, 3.7, 3.8, 4.2, 6, 8 (with respect to payments that are accrued but unpaid at the time of termination), and 9 through 16 will survive any such termination.


3.7. 一時停止処分と退会処分時のデータ保存. 3.4.1に該当する場合はAmazonはS3やSimpleDB含めデータ保持の義務を負わない。 3.4.1に該当しない一時停止/退会の場合データの削除などは行わない。


3.8. 退会後のサポート. 退会後も問い合わせなどは受け付けるが、退会後のサポートについてAmazonは義務を負わない。


4. サービス利用のライセンス


4.1. Permitted Uses Generally.


4.1.1. APIの仕様変更は通告なしに行われることがある。回数制限などの制限が行われることがある。


4.3. アカウントと鍵. 原則として1メールアドレスに1アカウント作成できる。 (AWS アカウントの仕組みについて若干説明のあと)プライベート鍵を第三者に提供することは禁止。第三者の手に渡ったと思われる場合には直ちにAmazonに報告を行う。(住所などの)アカウント情報は常に最新のものを記入する。アカウントが第三者の手に渡り、ユーザのデータの破壊や流出、改ざんが発生した場合、その責任はユーザにある。


4.4. AWS使用状況の確認 AWS上で稼働するアプリケーションについてAmazonからその詳細について情報提供を求められた場合、速やかに回答を行う。


4.4.1. オンラインアプリ(Webアプリと同義とおもわれる), Amazonが不正利用取り締まりのために、定期的にアプリケーションの稼働状況をクロールし、監視することに同意する。


4.4.2. クライアントサイドアプリ, Amazonが不正利用取り締まりのために必要と判断した場合、ユーザはアプリケーションのファイルをコピーしてAmazonに提供することに同意する。


5. 個別サービス毎の約款


AWS全体ではなく個別サービス毎に以下に定める条件に同意する。


5.1. Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)


5.1.1. S3に保存してよいのはユーザが権利を所有しているファイルのみである。S3上に保存されたファイルについて、一切の責任はユーザにある。AmazonはユーザのS3利用状況を監視することが可能である。政府や規制機関、裁判所からの命令があった場合や、召喚状・その他法的に利用される場合などには、コンテンツの内容を関連機関に共有することが可能である。


5.1.2. (1ファイルの最大サイズは5GB? 大事そうなことが書いてあるけどよくわからん)


5.2. Amazon CloudFront


5.2.2. AmazonはユーザのCloudFront利用状況を監視することが可能である。政府や規制機関、裁判所からの命令があった場合や、召喚状・その他法的に利用される場合などには、コンテンツの内容を関連機関に共有することが可能である。


5.3. Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS)


5.3.1. (S3とほぼ同じ)


5.4. Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)


5.4.3. インスタンスで稼働するアプリケーションなどについての責任は全てユーザにある。またユーザはパスワードなどの管理を自ら行う義務がある。


5.4.4. Email. SPAM送信は禁止。特にPyramid schemesやチエーンレターは禁止。CAN SPAM Act of 2003 (米国の法律)それに類する州法に抵触する全てのメール送信禁止。メールヘッダーの偽装も禁止。


5.4.5. Network. 以下のような通信は禁止


プルーブや脆弱性のためのポートスキャン(原文にport scans for vulnerabilitiesてある。意味わからんね)


許可を得ていないペネトレーションテスト、通信、その他アクセス権のないシステムにログインしようとする行為


クロールされる側のサーバに負荷をかけるような、レートコントロールされていない、過剰なWebクロール


許可を得ていないネットワークモニタリングとパケットキャプチャ


ソースアドレススプーフなどプロトコルヘッダーの改ざんやnon-standard protocol headerの使用


フラッディング(L2の話か?)


あらゆる種類のDoS攻撃


以下のネットワークサービスの稼働は認められていない


オープンプロキシー


オープンリレーサーバ


後悔再帰DNSサーバ



5.4.6. Services and Applications. 以下のようなサービスを提供することはできない。


ギャンブル関連全般


児童ポルノを含む全ての違法行為を助長するもの


特定の性や信仰、国籍、障害、性的志向、年齢などを避難するもの


フィッシング/ファーミングサイト


マルウエアやウイルスはじめあらゆる種類の有害プログラムを掲載しているサイト


第三者の権利を侵害するコンテンツ


5.4.7. Using Microsoft Software. (AWSでMSの有料ソフトを使う場合などは、その契約はあくまでAWS内での使用契約であり、それ以外に効力が及ばないことをいいたいのだと思われる)


5.4.8. Using IBM and Novell Software. 同上


5.5. Alexa® Web Services


5.5.2. Alexaのデータをキャッシュ出来るのは最長24時間


5.6. Amazon Flexible Payments Service (Amazon FPS)


5.6.1. (使っていないので省略)


5.7. Amazon DevPay Service (Amazon DevPay)


5.7.1. (使っていないので省略)


5.8. Amazon SimpleDB Service (Amazon SimpleDB)


5.8.2. 6ヶ月SimpleDBの支払いが滞り、かつ利用した形跡が見られない場合、Amazonは30日前にユーザに通告の上、データを削除することが可能である。


5.9. Amazon Fulfillment Web Service (Amazon FWS)


5.9.1. (使っていないので省略)


5.10. Amazon Elastic MapReduce


5.10.1 (使っていないので省略)


5.11. Amazon CloudWatch and Auto Scaling


5.11.4 Amazon CloudWatch で収集されたEC2インスタンスのCPU使用率、データ転送量、ディスク使用量はAmazonに共有される。


5.12. Elastic Load Balancing


5.12.1 (使っていないので省略)


5.13. AWS Import/Export


5.13.1 データの入ったメディアをAmazonに送付すると、データをAWSネットワークにアップロードしてくれるサービスについての細かいきめ毎が書かれている。送料はユーザが負担するなど。


5.14. Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC)


5.14.1 ゲートウェイなどを含めて管理の責任はユーザにある


5.15. AWS Multi-Factor Authentication (AWS MFA)


5.15.1 (省略)


5.16. Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)


5.16.1 (省略)


5.17. Consolidated Billing.


5.17.1 複数AWSアカウントをリンクさせ、まとめ払いする方法がある。


5.18. Amazon Web Services Premium Support (AWS Premium Support)


5.18.1 Premium Supportは対応サービスのユーザについてのみ行われる


6. ラインセンスとAmazonの商標利用について


6.1. Amazon Properties. AWSに関する文章を引用する場合、不要部分の削除のみが許され、文章の変更などはしてはいけない。


6.2. Restrictions with Respect to Use of Marks. “amazon.mydomain.com”, “amaozn.com” or “amazonauctions.net” などのユーザがAmazon公式と勘違いする可能性のあるドメインネームを取得し、AWSで利用することは禁止。


7. ダウンタイムとサービス停止、セキュリティ対策について


7.1. ダウンタイムとサービス停止. (i) サービスのアクセスが停電などにより一時的に出来なくなることがある (ii)以下の3つのいずれかの場合にも通告なくサービスが停止する (a) サービスメンテナンスのためのスケジュールダウンタイム (b) サービスが外部からの攻撃を受けた場合や、Amazon内から外部への攻撃が行われサービス停止しないと第三者への攻撃を遮断できない場合 もしくは (c) いずれかのサービスが不適切・反社会的とAmazonが判断した場合。ただしこれらによって引き起こされるいかなる被害についてもAmazonは補償の責任を負わない。


7.2. セキュリティ. Amazonはセキュリティについてユーザに以下をもとめる (a) 外部からの不正アクセスに備えたデータの暗号化 (b) 定期的なバックアップ (c) 最新のセキュリティ更新プログラムを適用する.


8. 料金


8.1. サービス料金. サービスの値上げ、あるいは無料サービスの有償化を行う際には、30日前に変更の内容をユーザに通知する。


9. データの機密性


9.1. Use and Disclosure.


(9章全体でAmazonが機密と定めるものを公開しないことを求めているが、具体的に何を想定しているのか想像がつかない)


10. 知的財産権


10.1. Our Services and the Amazon Properties. AmazonのものはAmazonのもの


10.2. Your Applications, Data and Content.  Amazon S3 や Amazon SimpleDBに保存されるデータやアプリケーションはユーザが全ての権利を所有する。


11. Representations and Warranties; Disclaimers; Limitations of Liability


11.1. Use of the Services. ユーザはAWSを下記の用途に使用しないことを保証する。 (i) 第三者の権利を侵害する用途にサービスを用いない (ii) CAN SPAM Act of 2003という法律に抵触するようなスパムメール、広告メールを送信しない (iii) 輸出規制に抵触しない (iv) 不法行為を行わない。


11.2. Applications and Content. ユーザは以下を保証する。 (i) アプリケーションやコンテンツについて全ての責を負うこと (ii) アプリケーションやコンテンツについて全ての権利を所有すること (iii) アプリケーションやコンテンツが (a) 第三者の権利を侵害しないこと (b) その他もろもろ


11.4. Authorization and Account Information. 個人でサービスを利用する場合には申込者が18歳以上であることが条件である。


11.6. Your Applications are Your Responsibility. In addition to the foregoing, we specifically disclaim all liability, and you shall be solely responsible for the development, operation, and maintenance of your Application (including any Bundled Application) and for all materials that appear on or within your Application and you agree that you shall, without limitation, be solely responsible for:


11.6.4. 使用するアプリケーションがどのような個人情報を収集するかなどの情報について適切に情報公開すること


11.6.6. AMI(EC2でのOSディスクイメージ)はAmazonの検査やスクリーニングを受けていないことを了承する


12. 補償/賠償


12.1. 全般. 以下の場合についてユーザがAWSを使用した結果として発生した被害について賠償をすることを了承する (i) 本約款や関連法規に抵触する用途でAWSを用いたとき など


13. 合衆国政府ライセンス契約と輸出輸入規制


13.1. 合衆国政府ライセンス契約. 米国政府がAWSを利用する場合には特別のルールが適用される


14. 紛争/争議


15. ユーザへの連絡


15.2. アマゾンにコンタクトしたい場合 


aws@amazon.com


Amazon Web Services LLC 
1200 12th Avenue South 
Seattle, WA 98144-2734


15.3. 言語. Amazonとのやりとりは英語で行う


16. その他


Jul 15, 2009

Amazonのクラウドサービスのセキュリティ対策のまとめ


クラウドコンピューティングに乗り出す際の最大のセキュリティ上の懸念は、顧客情報・書きためたポエム・マル秘画像などを誰かに預けるところにある。「財布などの貴重品は肌身離さず、自分の近いところに置いておく」という今までの常識に反する行動を迫られるのである。クラウド恐ろしや。まして預ける相手がAmazonという140億円の追徴課税を命じられような事業者であればなおさらである。


この誰しも感じる不安を払拭するためにAmazon Web Services (AWS) は自社のセキュリティ対策をまとめた文章を公開している。



f:id:kkomiyama:20090714230608p:image


Amazon Web Services Security ホワイトペーパー


(PDF注意)



要は「Amazonはこんなに頑張って皆さんのデータのセキュリティを確保していますよ」という販売促進の一環である。しかしよくまとまっていて、Amazonのサービス利用を検討している人だけでなくクラウドコンピューティングのセキュリティを考える人たちにとって一読の価値はあると思ったので、ここでポイントを紹介したい。


特に凄いとおもったところは赤字にしておく。


先に感想

全体を通した私の感想を先に書いてしまえば、非常に野心的なセキュリティに対する取り組みだと思う。特にセキュリティ屋が見過ごしがちな可用性の追求が徹底されている。それは1分止まるだけで、莫大な機会損失が発生するEコマース企業のDNAによるものだろう。今後登場するであろう、国内資本の後発クラウドサービス提供者は少なくともこのラインをクリアしないと市場参入できないのではないか。



簡単に、且つ荒っぽく用語解説






略語意味
AWSAmazon Web Servicesの略。Amazonが提供している各種クラウド系サービスの総称。全容はこちら
EC2Amazon Elastic Compute Cloudの略。平たく言えば仮想レンタルサーバサービスだが、目指しているところは壮大。Elasticは「延び縮みする」という意味。
S3Amazon Simple Storage Service の略。仮想ストレージサービス。EC2のOSに接続したり、APIを使った各種クライアントアプリから接続したりして使う。現時点ではお世辞にもSimpleとは言い難い。





前置きが長くなったが、以下がAmazonのセキュリティ対策である。


各種認証と認可の取得


AWSは会計監査法人と協力して、SOX法を遵守している。


また、SAS 70 (the Statement on Auditing Standards No. 70) のTYPE IIという認証を取得した。


今後もより厳格な認証基準が設けられればそれを満たすための努力を行う予定である。


その努力の裏付けとして、顧客の中にはAWS上でHIPPA-compliantのヘルスケアアプリケーションを立ち上げているものもいる。



セキュアデザイン原則


Amazonでの開発プロセスはセキュアソフトウェアベストプラクティスに基づいて行われる。


これにはAmazonセキュリティチームによる公式なデザインレビュー、脅威モデリング、リスクアセスメントの実施、ソースコード診断、外部専門家による脆弱性診断が含まれる。


リスク分析レビューはデザインフェーズに始まり、一般公開後まで行われる。



物理セキュリティ


長年のAmazonのサービス提供のノウハウを生かしている。


データセンターは目立たないビル("Amazon"と分からないビル)に収容し、ビルへのアクセスは厳しく制限している。


境界と入り口にはプロのガードマンとビデオ監視システムを備えている。


最新式の侵入者検知システムと様々な電子装置が使用されている。


入室を許可されているスタッフは二要素認証を最低2回パスしないとデータセンターのフロアに到達できない。


訪問者や外部の作業員は身分証明書の提示の後にサインをして入室し、内部では常にスタッフが横に付き添う。


従業員が辞めた場合、AWSに関連する部署を離れた場合には直ちにアクセス権が無効にされる。


顧客のデータにアクセスする可能性のある社員については、法律を遵守しつつも、より詳細な身上調査を実施する。



データのバックアップ


データがバックアップされるタイミングについてはAWSの各サービスで大分内容が異なる。








サービス名バックアップの内容
S3データ書き込み時に情報が物理的に別の場所(ヨーロッパとアメリカ東海岸など)にそれぞれ保存される。どちらかに障害発生した際には、別のノードからの復旧を行う。
SimpleDBS3に同じ
Elastic Block Storeデータの複製を取得するが、同じ場所に保存される。従ってEBSのデータはS3にバックアップすることを推奨している。ちなみにEBSはファイルシステムを稼働させたままスナップショットバックアップが取得できる。
EC2EC2のイメージに接続される仮想ディスクはバックアップされていない。必要があったらS3にバックアップすべし。


ネットワークセキュリティ


DDOS対策

AWS APIの各端末は、Amazonという世界最大のオンラインストアを構築した経験を持つエンジニアがそのノウハウを駆使して構築した、インターネットスケールの世界級のインフラに設置されている。独自のDDoS緩和技術が使用されている。またAmazonのネットワークはマルチホーム、マルチプロバイダーである。


Man In the Middle Attacks対策

AWS APIの認証は全てSSLで保護されている。Amazon EC2のAMIはSSHホスト鍵を最初の起動時に作成している。


IPスプーフィング対策

Amazon EC2のインスタンスは送信元を偽装したデータをネットワークに送信できない。Amazonが制御する、ホストベースファイアーウォールがソースIPとMacアドレスの整合性をチェックしている。


ポートスキャン対策

EC2の顧客がポートスキャンをすることはサービス規約違反となる。違反が発見された場合、全て調査の対象となります。違反行為を発見した際にはサポートまでご報告下さい。


またEC2インスタンスに対するスキャンは無意味である。デフォルトで全てのインバウンド通信はブロックされる。security groups機能を使って必要なポートだけを開放する。


通信の盗聴対策

EC2のインスタンスでインターフェースをプロミスキャスモードに変更しても自インスタンス宛でない通信を盗聴することはできない。1人のユーザが2つのインスタンスを保持していて、同じ物理マシンで稼働しているる場合でも同様。


ARPキャッシュポイズニングは技術的対策が施されているためEC2では不可能。



設定管理


AWSのインフラへのメンテナンスや設定変更は全て承認され、記録され、テストされ、実施許可される。サービスに影響が及ぶ変更が加わる場合、メールやWeb(http://status.aws.amazon.com)でアナウンスされる。


EC2のセキュリティ


EC2のセキュリティはホストOS、ゲストOS、ファイアーウォール、署名されたAPIコールの4つによって実現される。


ホストOSのセキュリティ

ホストOSは特別にデザインされ、要塞化されていて、全てのアクセスは記録され監査されている。


ゲストOSのセキュリティ

仮想インスタンスの管理者権限はユーザが持ち、AWS側は仮想OSにログイン/アクセスする権利を持っていない。パスワードベースの認証を避けることをお勧め。


ファイアーウォール

EC2はデフォルトで全ての仮想インスタンスへのインバウンド通信を拒否するファイアーウォールを備えている。通信の制御はプロトコル毎、ポート単位、ソースIP(CIDRでの指定も可能)で条件指定可能。このファイアーウォールはゲストOSからは制御不可能であり、よりセキュリティを高める。これに加えてゲストOS上でiptablesやWindows Firewall, IPsecを使うことをお勧めします。


API

仮想インスタンスの起動、停止、ファイアーウォール操作のAPI利用にはx.509証明書もしくは Amazon Secret Access Keyをつかった認証が必要。このAPIへのアクセスはSSLで暗号化することが可能である。


ハイパーバイザー

Amazonの仮想OS環境はXen Hypervisorを大幅にカスタマイズしたものにより実現される。プロセッサーの利用、ディスクへのアクセスは全て仮想化され、ユーザ及びゲストOSは物理ディスクやCPUへのアクセスを行えない。


インスタンスの独立性を保つ

仮想インスタンスが同一ハードウェア上の他の仮想OSからの影響を受けない仕組みが実現されている。Xenのユーザコミュニティ/開発コミュニティにAmazonは積極的に関与している。AWSのファイアーウォールは物理ネットワークインターフェースとXenの仮想インターフェースの間に実装され、通信の独立度を高めるのに貢献している。AWS独自のディスク仮想化レイヤーはストレージのデータブロックをユーザが利用する直前に、自動的に内容を消去する。前のユーザのデータが残ることはない。とはいえファイルシステム暗号化などをユーザが独自に行うことは良いこと。ユーザが明示的に指定しない限り、同一地域内でのデータの複製はしない。



可用性を保つために(Fault Separation)

EC2は仮想OSの地理的な位置(アメリカ東海岸、ヨーロッパなど)をユーザが選択することが可能。これによりグローバルなリスク分散が可能となる。さらに各拠点(例えばアメリカ東海岸)はその中で複数の都市に施設が分散されていて、各施設間で絶えず内部データの同期が行われている。なお施設間のデータ同期はインターネットを使ってやり取りしている。



S3のセキュリティ


S3はbucket-(ディスク全体)とobject-単位でアクセスコントロール可能。EC2からアクセスする場合でも、インターネットからAPIを使ってアクセスする場合も、HMAC-SHA1署名を使ったユーザ認証を経て、なおかつACLでアクセス許可がされている事が前提条件となる。bucket-(ディスク全体)とobject-単位のACL設定は独立しており、継承されない。アクセスコントロールはAWSのユーザIDもしくはemailアドレス、DevPay Product IDを元に制御できる。



データ管理

S3はSSLでもアクセス可能。オブジェクトがS3から削除された場合、マッピングが即時消去され、数秒以内で全世界に保持されていた複製も含め削除が完了する。



ストレージの廃棄

AWSで使用されるストレージが廃棄される際には、DoD 5520.22-M もしくは NIST 800-88 というガイドラインに沿って適切に処理した上で廃棄される。




なお、本文書は翻訳ではなく私が読んでてポイントと思ったところを抜き書きしたものである。私が使わないSimpleDBやSQSなどのサービスに関する記述は読んでいないし、訳していない。そして、この文書はAmazonの頑張ります宣言であって、現状と食い違いが生じている可能性はある。