Pages

Pages

Jun 4, 2010

僕らのアウトドアライフ(その1)

「部活なにやってた?」と聞かれるとちょっと困る。

「中学の時は剣道部、高校の時はボーイスカウト、大学は学園祭の実行委員をやってた。」と答える事が多い。剣道もボーイスカウトも学園祭も打ち込んだのでこれは嘘ではない。ただ、説明が長くなるので「高校の時はOut Door Life班に入っていた」という事実を伏せているだけである。大切な青春の1ページである高校時代のOut Door Life班(通称ODL)についてちょっと書いてみたい。

*入部
中学3年間で剣道にとことん嫌気がさしていた僕は高校で剣道を続ける気はなかった。そして入学当初の班活紹介でOut Door Life班というキャンプにくり出すだけの班活動があることをしった。(ちなみに僕の出身高校含め、その近辺ではなぜか部活を班活と呼ぶ。班活、班長、サッカー班、野球班である。)
1年生向けのオリエンテーションで、それぞれの班活が前に出て5分程度の活動紹介をする。ユニフォームを着てばしっと活動を紹介する班が多い中、ODLは私服の3年生3人くらいがドームテントをもってきてなにやら喋っていた。周りの1年生も戸惑う、その発表の様子は僕の好奇心を多いに刺激した。
入部希望者は部活毎に指定された場所に訪れると上級生が詳しい説明をしていることになっていた。僕は第2理科室にODL班の説明を聞きにいった。主に3年生がアルバムや旅行記を見せてくれた。毎年ではないが、無人島にキャンプにいったりした代もあるとか、オリエンテーションのぼそぼそした説明からは意外なほどまじめな活動をしているようだった。
*もう1人の1年生
第2理科室には僕以外にもう一人だけ1年生がいた。あまり喋らない安藤という人だった。愛想が悪いのではなくシャイな奴だということは後から知った。
この日、確か近所の公園にみんなでくり出し、あまり喋らない安藤が初めて僕に話しかけてきた。
「火貸してくれない?」
あまりに唐突な第一声だったが、愛用のZippoを貸しつつ、なんか仲良くなれそうだと安心した記憶がある。
*自由のはじまり
安藤とは対照的に陽気で面倒見がいい浅黒い男前の3年生がいた。前島先輩という。
「迷ってるなら、絶対入った方がいい。ODLはいい奴が多いし、大学のサークルのようだ。とにかく自由だ。」
応援団長もしている前島先輩は熱い男だった。前島先輩の勢いに押されたわけではないが、僕はなんとなくボーイスカウトとは違う緩い雰囲気が気に入っていた。
「そうですね。ODLに入ります。」
そう口にした。前島先輩は僕の決断に喜び、讃え、そして最後にこう付け加えた。
「俺はODL班じゃなくて、天文気象班だけどね。」
ODLはどこまでも自由だった。

[caption id="attachment_2160" align="alignnone" width="600" caption="班室"][/caption]

(長くなったので続く。)