Pages

Pages

Jul 13, 2009

六月の一冊


f:id:kkomiyama:20090704123209j:image


チャルディーニの影響力の武器という本。


先日住所変更の手続きをするために銀行のサポートデスクに電話したらこんなやり取りがあった。



担当「最後になりますが、オンラインで住所変更の手続きを完了されましたらその旨こちらのカスタマーデスクまでお知らせいただけますか?」


自分「? え、なぜですか?」


担当「そうしないと、お客様の情報が云々(中略)。お手続きを完了されましたらその旨こちらのカスタマーデスクまでお知らせいただけますか?」


自分「いや、オンラインで変更手続きするんだから、御社内でその情報を共有していただければそれで十分のはずです。」


担当「いえ、弊社の事情により、云々(中略)。お手続きを完了されましたらその旨こちらのカスタマーデスクまでお知らせいただけますか?」


自分「(諦めて)はい、わかりました。」



僕はこのやり取りに苛立った。なぜ窓口の人は「XXXして下さい。」と言えば済むような依頼を「XXXいただけますか?」と疑問文で伝えるのか?それが理解できなかった。それも同じ台詞を3回も。その数日後に「影響力の武器」を読んで、この担当の言い回しが連絡の確率を上げるためのテクニックだという事が分かった。



「連絡をお願いします。」


「分かりました。」



という会話をした場合よりも



「連絡いただけますか?」


「はい、連絡します。」



という会話をした時の方が、実際に連絡を行うことにたいする義務感を感じるそうだ。細かい種明かしは実際に本を読んでいただきたい。他にも様々な人の行動に影響を及ぼすテクニックが紹介されている。



誰かが自分に何かをさせよう、影響力を及ぼそうとしている事を感知できるセンスを持つことは騙されないために大切な事なのかもしれない。自分がそういうテクニックを使うかどうかは別として、敵のやり方を知っておくのは悪くない。