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Nov 29, 2008

hatenaってナンデスカと聞かれた

先日、日本に住んで日本の会社でプログラマーをしているアメリカ人に聞かれた「hatenaって何?」と。Hatenaの出自や現在の事業は結構変わっていて、「アメリカで言うとXXXという会社」という分かりやすい説明ができない。しかたないので「日記やソーシャルブックマークのサービスを提供している日本の会社で、特に日本のエンジニアがよく使ってる」と答えたところ、一応納得してくれたようだ。

hatenaは海外ではマイナー

2007年中盤にはてなハイクやスターをhatena.comで提供しているものの、hatenaの海外での知名度は日本でのそれと比べものにならない。外人にしてみたらhatenaは"one of 得体の知れないWebサービス"である。にもかかわらず日本のハッカーコミュニティではhatenaユーザが多いのが冒頭のアメリカ人の質問に繋がったのだと思う。「Rubyの文字コード処理について調べていたら、ことごとくはてなダイアリーの日記に行き当たった」とはそのアメリカ人の弁である。

hatenaのUIはくせもの

hatenaのインターフェースを改めて見直してみる。まずはてブやはてなダイアリーに英語のメニューやヘルプは存在しないため外国人が日記を書いたり、ブックマークを登録するなどするのは不可能。さらにはてブやはてなダイアリーをただ閲覧するのも相当に困難であるに違いない。理由は2つある。1つ目はそもそもhatenaのインターフェースは特殊でMovable TypeやWord Pressの標準テンプレートでつくられたブログになれた日本人でも、最初は操作に困るという話を聞く。実際僕がhatenaに移行した時、何人かに「昔の日記が読めなくなった」という意見をもらった。もちろん過去の日記のインポートはばっちりしていたにもかかわらずである。そして当然ながら2つ目の理由は、英語メニューがないことである。

hatenaは外国人の目にどう映るのか

以上をまとめると、外国人エンジニアには、「日本の技術者がRubyやJavascriptやLL言語などで色々な成果や発見をしているようだが、それらははてなダイアリーという日本語だらけの非常にアンフレンドリーなサイトに書かれている」と映っているようだ。もし今hatenaダイアリーで日記を書いている人が、日記を世界中に向けて発信したいなら、おそらくhatenaは適切なプラットフォームではない。bloggerなり海外のフリーブログサービスに乗り換えるべきだろう。もしあなたの周りにhatena idを持って使いこなしている外国人エンジニアがいたら、それは例外的に高度にローカライズされた外国人だと思って欲しい。

hatenaはどこへ行くのか?

hatenaとblogger,diggとの関係を見ていると、なんとなくMicrosoft Wordと一太郎のシェア争いを思い出すのである。当初日本語ワープソフトとしてはあらゆる面でぬきんでていた一太郎があっという間にWordに駆逐される現場を僕らは見てきた。一太郎の敗北は機能が劣っていたことよりも、OSとのバンドル販売やマーケティング戦略でMSが優れていたからだ。それらの歴史に学ぶならGoogleが検索エンジンとブログサービスやソーシャルブックマークの連携を強めることでユーザがbloggerへ流出していくのだろう。hatenaは今の一太郎のように「今でも市役所では使ってます!」的な存在になっていくのではないだろうか。 食うか食われるかのWebサービスの世界で、hatenaが海外市場を食うことを諦めたということはつまり食われることを覚悟したということだ。(少なくとも今の事業分野において)

X年後の飲み会で・・・

こんな感じで思い出話を新入社員に語る日がくるのだろうか。

「はてなで日記を書いてたんだよ、知ってる??はてな!」
「はぁ・・・名前だけは。ブログですよね。」
「はてな記法っていうのがあって、細かいところに気が利く凄いいいサービスだったんだぜ!」
「へー」
「増田は楽しかったなぁ。あ、anonymous diaryなんだけどね」
「匿名のダイアリーですか、それってなんの意味あるんですか?」
「いや・・・、その・・・」

そんなの嫌だなぁ。