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Aug 1, 2008

【奇跡の弟者】 弟者、交通事故にあう

いまから数年前に起きた本当の話。我が家には弟者(おとじゃ)が2人いるんだが、これは弟者(大)の話。
ある日「弟者(大)がバイクにはねられた」という衝撃的なニュースが我が家に飛び込んできた。自転車に乗っていてバイクと正面衝突したらしい。家族の誰もが「弟者は大丈夫か?」ではなく「なぜ自転車がバイクと正面衝突?」と思った。
以下は弟者(大)自身の回想による。

  1. ある晴れた昼下がり、弟者はママチャリにのって見晴らしの良い、広い道路を走っていた。田舎の道路なので当然走ってるのは弟者のみである

  2. そこに正面からバイクがやってくるのが見えた。バイクも弟者の自転車に気づいたようだった

  3. 道の真ん中を堂々と走っていた弟者は、ゆっくりと左側に避けた

  4. バイクも右側(つまり弟者がよけた方)に避けた

  5. 「いかん」と思った弟者は右側に避けた

  6. バイクも左側(つまり弟者がよけた方)に避けた

  7. 「いかんいかん」と思った弟者はあせって左側に避けた

  8. バイクも、、、(以下略)


かくして何の障害物もない、見晴らしの良い道での、自転車とバイクの正面衝突という起こるはずのない事故は起きた。
弟者にとって厳しかったのは、最終的にぶつかった際に弟者が右側(つまりバイク左側)に避けた状態であったことである。言うまでもなくこの社会で車両は左側走行が原則であり、何かあればお互いが左側に避けるべきなのである。従って、この正面衝突は基本的な原則に逆らったアウトローな弟者に大いに責任があり、というわけで弟者に金銭的な補償は一切なかったという。
幸いなことに、互いにスピードはそれほど出ていなく、弟者の怪我はかすり傷程度であった。以後周囲からは「自転車でバイクに正面衝突する勇敢な男」として哀れみを買った弟者である。
そんな弟者が先月、海外へ旅立った。かの国では車は右ハンドル、車両は右側走行と聞く。兄者として、今、弟者に伝えたいのは「今度は右に避けろ」ということ。そして「体に気をつけて夢をかなえてこいよ」ということである。