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Nov 10, 2004

『毎秒が生きるチャンス!』 ランス・アームストロング

毎秒が生きるチャンス! ナリッシュブックス
ランス・アームストロング

学習研究社
2004-09-29
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ランスへのチームと自転車競技への思い、癌患者への貢献そして家族への愛が
丁寧に書かれています。
書かれている内容の時期は2度目のツール制覇を果たした2000年から2003年末にかけて。
前作『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』では癌との闘病に焦点がおかれ
レースはおろか自転車すら殆ど登場しませんでしたが、近作は2003年までの
ツールについてランスが振り返ります。
・2000年ツールのパンターニぶち切れ事件
・2001年ツールの調子が悪い演技
等のツールの歴史にのこるエピソードをランスが語ってくれるのはこの本だけでしょう。
ツールの歴史には残りませんがランディスの登場シーンが多く、しかも描かれ方が
「問題児ランディスと熱血ランス先生」といった感じなのにはちょっとビックリ。
ランディスってそんなキャラだったんでしょうか?
USポスタルのチームの雰囲気についても色々な場面で伝わってきます。
チームバスの窓がスモークなのをいい事に、バスの中で尻丸出しするなど
ジョークのレベルはアメリカの田舎の中学生です(笑)
眉毛を八の字にして「やれやれ」と困ってるエラスの表情が見えるようです。
他の(有力選手を引き抜いて寄せ集めた)チームがホテルで食事をとったあと
みんなすぐに部屋に戻ってしまうのに対し、ポスタルはみんなその場の空気が
楽しいのでなんとなくテーブルに残って談笑するというエピソードはなんとなく
納得です。
その他にも・・・
・「奥さんが産気づいているのに抜き打ちドーピング検査」というエピソードに始まる
ドーピング疑惑との戦い
・子供自慢
・奥さん(前妻)自慢
ランスの子煩悩ぶりが伺えるエピソードが多いのも特徴。
「峠の下りをギリギリまで攻めようとすると家族の顔が浮かぶ」って・・・らしくないなぁ。
プロローグ・エピローグの表現が非常に匠で、読み物としてのレベルは前作からかなり上がっています。
作者は同じ人のようですので、訳者がいいのかもしれません。(実際自転車用語も違和感ないです。)
総じてレースファンの方にはお勧めです。ランスファンでなくとも絶対楽しめると思います。
これを読んでちょっとランスのファンになりました。
(単純すぎ?)