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Mar 2, 2020

2月の光景

今月読んだ本のなかで最大のヒットは益尾知佐子. 中国の行動原理 -国内潮流が決める国際関係-. 中央公論新社である。
近年、巷にはさまざまな『中国論』があふれている。だが、中国の『野心』『陰謀』が強調され、中国は自分の利益を拡大するために良からぬことを企んでいるという印象論で組み立てられていることが多い。このような視点から描かれる中国は、我々と同じ人間が作る社会ではなく、あたかも妖怪が闊歩する不思議の国のようである。こうした話の作り方は、中国共産党の半日宣伝と質的に大差ない。(p.iiより)
この本で益尾はエマニュエル・トッドらの研究の土台の上に、家族構造の差から両国の社会構造の違いを明らかにする。益尾によれば日中両国は親子関係が権威的(子が結婚後も同居)という共通点がある。一方で日本は兄弟関係が不平等(親の財産が均等配分されない)、中国は平等であるという相違点がある。その結果、中国では1人の老板(ボス)の下に差が無い複数の子というリーダーシップ構造ができあがる。日本では次男は三男より若干偉いというような階層構造ができあがり、子の間でも相互のやり取りが生まれる。 中国の社会秩序の4つの特徴である①権威が最高指導者に一点集中、②組織内分業はボスが独断で決める、③横のつながりがない、同列の部署はライバルである、④潮流に乗ろうとする、はこの家族構造の違いで説明できるという。


2020年2月4日 火曜日
新宿のホテルで朝ごはんを食べつつアメリカからのお客さんと情報交換。今年はオリンピックの影響で4月に行われるらしいインターロップでパネル登壇依頼。久しぶりのインターロップ楽しみ。

2020年2月5日 水曜日
夜は取引先と懇親会。終わってから自宅ではなく、湘南台のホテルへ。翌日の公聴会に備えて、前泊。

2020年2月6日 木曜日
朝5時に起きて、コンビニで急遽博論を印刷。250ページ印刷すると5000円くらいかかる。コンビニで印刷する量じゃない。11時くらいから公聴会。結果はギリギリ合格はしたものの、相当頑張らないと最終試験に耐えられないということのようである。今学期に全て終わると思って、あと少しと自分に言い聞かせていた部分があったので、精神的にはショックをうける。
お昼を挟んでキャンパス内で、同じ研究室の後輩に冷静なアドバイスをもらう。聞き上手で、話しながら落ち着きを取り戻せた。感謝。

2020年2月10日 月曜日
夜は赤坂でイタリアンを食べつつ、研究の相談。

2020年2月12日 水曜日
藤沢へ。学位審査委員会のメンバーではない研究科の先生に博論へのコメントをいただく。

2020年2月17日 月曜日
午後は三田へ。学位審査委員会のメンバーではない研究科の先生に博論へのコメントをいただく。結構クリティカルなコメントがあり、これは修正大変そうという感触。12日もそうだが、サイバーセキュリティは専門でない先生からのコメントにうまく反応するには、普段自分にとっては自明という部分についても、きっちり考えていないといけない。博論の中の、根拠が甘いなんとなくの部分が、次々明らかになってくる。

2020年2月19日 水曜日
朝一から電話会議も含めて、接客5件。産休に入る取引先、視察、元同僚の来訪とバラエティに飛んでいる。
合間に2020年度の仕事の計画に思いを巡らす。夏のオリンピックがどう仕事に影響するかがわからない。

2020年2月20日 木曜日
夜は大学院の仲間と新宿でビールを飲みに行く。衝撃の事実が次々と明かされ、自分の公聴会のダメージも和らぐ。持つべきものは先輩である。

2020年2月21日 金曜日
新型ウィルス対策のため、遠隔で勤務する。朝昼夕と同僚と電話会議しながら手探りですすめる。合間もビデオ会議システムにログインしたままにしていたが、自分の部屋で流していたラジオが向こう側に流れっぱなしだったらしい。終わっちゃうの残念、King Gnu井口理のオールナイトニッポン。
5月末までに1万文字の原稿の依頼が来る。招待有りの原稿というのは、よっぽどのことが無い限り、ちゃんと出版してもらえる。掲載されるかは完全な博打の査読論文を書くのとくらべて、今の気持ちは大富豪である。

2020年2月22日 土曜日
午前は劇を見に行く。午後は博論の続き。博論の分析の枠組みという、かなり土台の部分に手を入れるか迷う。


2020年2月23日 日曜日
子供とミートソースパスタをつくる。ミートソースが美味しくできて満足。「マルのイカ」が食べたいということでイカもおろしたが、イカ焼きにするなら皮を向かないほうが良かった。

2020年2月24日 月曜日
自宅で博論と仕事の続き。同僚のRSAカンファレンスのためのサンフランシスコ出張が突如キャンセルになる。仕方ない。この前後で、自分自身もルーマニア出張、福岡での会議、インタロップ、ロシアとアメリカからの来客1件づつがキャンセルになった。
夜、カンボジアへ向けて出発。

2020年2月25日 火曜日
朝10時ごろにカンボジア着。翌日のプレゼンの用意をしたり、同僚に借りた「中国の行動原理」を読み進める。そして、とにかく後書きがパワフルである。ぜひ、本を手にとって後書きを読んでほしい。

2020年2月26日 水曜日
終日会議、夜は懇親会。ラオスからの参加者が、日本に12年住んでいた人で驚いた。都内のラオス料理だったら吉祥寺のランサーンがおすすめと教えてもらう。聞けば、都内のタイ料理の多くはラオス人が経営しているという。確かに我が家の近くのインドカレー屋はたいていネパール国旗を飾っているし、ヨーロッパで見る寿司屋はたいてい韓国人が経営している。この現象になにか名前がつけられないものか。


2020年2月27日 木曜日
午前はプレゼン。午後の会議がおわってから、たまたまシェムリアップにきている知り合いと遅めのランチ。しこたまビールを飲んでから空港へ。

 

2020年2月28日 金曜日
朝7時に帰国。花粉は少なめ。IGF報告会に登壇の予定だったが、中止になった。両親と家族旅行に行く。羽田空港でシャワーを浴びて、上野駅から常磐線の特急と大洗駅へ。昼頃家族と合流して水族館へ。ダイオウグソクムシやタカアシガニを触れて大満足。夜はあんこう鍋を堪能する。

2020年2月29日 土曜日
温泉をチェックアウトして、イチゴ狩りへ行った。甘くて大きいイチゴに大満足である。