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Oct 1, 2018

9月の光景

「沖縄」と聞くと、亡くなった祖母のことを思い出す。長野県の山の中で太平洋戦争後の混乱の中で、4人の子育てをした人である。

戦争のことはいろいろな形で食卓の会話に登場した。出征して帰ってこなかった人の話、満州からの引揚げで大変な目にあった人の話。その時代を生きた人にとって、そういう話はとりたてて珍しいものではないのだろう。祖母はいつも淡々とした口調で戦争の話をした。
そんな祖母が感情を隠さなかったのが「沖縄」に関するものである。祖母が話してくれたのは、終戦間近の日本が沖縄を犠牲にして本土の大被害を免れたこと、そのことに対する贖罪の念である。なにせ、こちらは小学生である。祖母がそういうんだから沖縄の人は大変な目にあったんだろうと思った。

ある時、お仲間の旅行で祖母は沖縄にでかけた。帰ってきてから「ひめゆりの塔(と資料館)に行ったが、涙がとまらず、途中で外に出てしまった」という話を聞いた。やがて時が経ち、自分でひめゆりの塔を訪れて、その理由がわかった気がする。資料館の中では、「米軍と対峙した沖縄の民」というよりも「日本軍、そして本土に見捨てられた沖縄の民」として歴史を描いていた。沖縄を攻撃したのは間違いなく米軍だ。しかし展示からは沖縄の本土へ投げかけられた積年の想いが滲み出ていた。祖母が最後まで展示を見れなかったのは、罪悪感ゆえであろう。

今沖縄で起きている事を考えるとき、私自身の思考はどうしても祖母のもっていた罪悪感が起点になってしまう。
その時代、大変だったのは沖縄だけでない。そのとおりかもしれない。
世代は代わった、未来志向が大事だというスローガンがおどる。そのとおりである。
贖罪の意識を持つだけでは前にすすまない。そのとおりである。
ただ、沖縄には論理で片付けてはいけないものがあるという気持ちを持ち続けたいとおもう。

2018/9/2
大学の研究の関係で会社を休んで、北京へ2泊3日の出張。5時起床。朝9時の便で羽田から北京へ。何もすることがないので、夜9時就寝。翌朝7時まで爆睡。

2018/9/3
朝から中国のシンクタンクの人と会議。
昼は訪問先の人にごちそうになる。研究所のすぐ横に職員向けの居住エリアがあって、そこにいい感じのレストランがある。電動のレイジースーザンをはじめてみた。

その後地下鉄を乗り継いで王府井付近のシンクタンクに。普段なら何も考えずタクシーだが、今回は中国アフリカサミットがあって車がよめない。
夜は火鍋を食べに行く。みんな気に入ってくれてよかった。

2018/9/4
北京から朝一の便で帰国。朝5時半にホテルロビー集合の予定が、先生に電話してもらって起きる。セットしてた目覚まし時計がならない。このホテルもう嫌です。
台風で飛行機が飛ぶかが懸念されたが、無事離陸。午後便で帰国予定だった取引先の2名は欠航でもう1泊せざるを得なかったようで、滑り込みセーフというところか。

「司馬遼太郎」で学ぶ日本史AI vs 教科書が読めないどもたちロシアと中国 反米の戦略北朝鮮核危機 全内幕を読了。他にすることが無いので、読書が捗る。

2018/9/5
朝から同僚はみんなとあるサイバー演習の対応に。自分はデスクワークに集中。

2018/9/6
予定してた通り、夕方4時に歯医者に行って右下の親知らずを抜く。先月左下を抜いてたので、ある程度予想も覚悟もできていたつもりだった。が、今回は完全に埋まった歯を砕いて取り出したらしく、時間がかかる。帰宅してからが悲惨だった。流血がとまらないのだ。血を飲み込みつつ、この日締切の原稿の概要200文字を作る。たった200文字が全然まとまらない。

夜になっても全然止まらない。だんだん血を飲み込むと胃がうけつけず戻しそうになる。
一晩中、30分ごとに洗面所にいって、口の中から出てくる血を吐き出し続ける。書いててもキモチわるい。読んでてもキモチワルいでしょう。ごめんなさい。
日付が変わったあたりで、仕事どころじゃないという自覚を持つに至る。翌日のアポを全部ギブアップの連絡を各方面にいれる。ギブアップできない用事ばっかりだったが限界だった。ほんとごめんなさい。

2018/9/7
朝一で歯医者に駆け込んで、血が止まらないことを伝えると、血を吸うパッドみたいのを口の中に縫い付けられる。
とりあえず、血が口のなかにたまらなくなった。家に帰って、出血が止まったので寝る。寝れるって幸せ。
教訓、みんな親知らずは若いうちに抜こう。

2018/9/8
記憶がない。頬の腫れマックス。

2018/9/9
午前、家族のお見舞いにいく。とろろそばがやっと食べられましたレベルに回復。

2018/9/12
仕事で北千住へ。頬の腫れはひいて、黄色く痣になっている。

2018/9/13
仕事で北千住へ

2018/9/14
会社で集中して仕事する予定だったが、昼食を兼ねた打ち合わせがどうしても必要に北千住へ。いろいろこじれてるのを確認して、会社に戻って書類作成。

2018/9/15
歯医者へ経過を見てもらいに行く。経過は悪くないらしいので、抜糸。
翌週の海外出張のことを伝え、痛み止めと抗生物質を処方してもらう。

2018/9/16
頬の腫れはひいて、黄色い痣も消えて、喉のほうに青あざが降りてきた。

2018/9/17
羽田からシンガポールへ。機内ではAll or Nothing マンチェスターシティ編を見る。マンチェスターシティはイギリスプレミアリーグのチームだが、オーナーはアラブ首長国連邦の王族で、監督以下スタッフはスペイン人が多い。結果英語とスペイン語が半々みたいな、カオス。ウクライナ人、コートジボワール人、アルゼンチン人、サッカーチームのマネジメントというのは真にグローバルだなと思う。
宿泊はパンパシフィックホテルと聞いていたが、市内に3つあるパンパシフィックの中でアクセスがよくないところだった。メールを良く読んでなかったので別のパンパシフィックに行ってしまい余計なタクシー代使う。

2018/9/18
朝、シンガポールのテレビ局が平壌での南北首脳会談を生中継しているのを眺めていた。ムン・ジェイン大統領と金正恩第一書記の笑顔は時代が変わっていることを世界に印象付けたとおもう。日本はどうするか?何ができるのか?と問われるとなかなか厳しいところである。
夜懇親会を中座してホテルに戻って論文の続き。フランス政府が出した情報操作に関する報告書を読む。大統領選挙へのサイバー干渉の教訓から、ロシアの情報操作に対する警戒むきだし。事例も多くておもしろい。原文こちら


2018/9/19
論文の締切日。午前に最終チェックして提出完了。通ってほしい。終日、気の抜けない会議と思ってたら、今日は割と楽勝だった。
国連事務次長の中満さんが参加していた。もちろん国連の中で偉くなられた方なのでスピーチもうまいのだが、英語の発音とかは日本人っぽさが残っていて、多分思考段階では日本語で考えている感じの話し方だった。それが日本人としてちょっと嬉しかった。ディナーの席で話しかけようとおもったが、なんとなく躊躇してしまったことを今後悔している。
夜はマリーナ・ベイ・サンズの最上階のレストランでディナー。楽しかった。ゴースト・フリートをおすすめされる。さっそくKindleで買う


2018/9/20
喉の青痣を隠すためにワイシャツにネクタイで会議にいったらオーバードレスだと言われる笑
久々に同僚とFIRSTの理事2人にも会えて嬉しかった。


2018/9/21
朝一で空港から東京へ。Kindleをホテルに置き忘れてきてしまった・・・。
CodeblueのCFP出したのが落ちてた。無念。結果的に論文を書く時間がとれてよかったと思うことにする。来年も挑戦しよう。
機内で出張報告を頑張って、8割完成する。出張が続くと、飛行機の中でまとめないと追いつかなくなる。昨年度は出張報告提出が遅いことで迷惑をかけたので、今年は全て出張の翌週に仕上げるようにしている。


2018/9/22
明け方3時くらいまで先行研究の論文を読み込む。「分析の枠組み」ってやつを探していた。6時にたたきおこされて、ヘロヘロ状態で親子で体操教室みたいなのに行く。
久しぶりに一緒にお風呂にはいる。楽しい。

2018/9/23
午前集中して仕事。思ったよりはかどって事務仕事が片付いた。午後はずっとワンオペだった妻から子供を引き離すべく、図書館に行き、マクドナルドでおやつをたべる。
昨日に続き一緒にお風呂にはいる。素直に頭洗わせろや!パジャマ着ろや!難しい。

2018/9/24
朝7時に羽田空港へ出発。大学に提出する書類をポストに投函してから福岡へ飛ぶ。大学にいく暇ない。国内線のプレミアムクラスというのに初めて乗った。結論、普通のエコノミーで十分。

福岡について、観光局の人と合流。軽い打ち合わせのあと、スタートアップカフェを見せてもらう。解散後ユニクロによって白いワイシャツを買う。

夜は一人でホテルの近くの寿司屋へ。そんな期待せずふらっと入ったのだが、美味しいし、安い。寿司で穴子というと甘く煮たのが定番だが、ここでは生の穴子を柚子胡椒をあわせて握ってくれる。美味しかった。女将さんと大将から中洲のおすすめの屋台を教えてもらう。こういうふれあいがあるっていいね。結果的にここの寿司が今回の福岡出張で食べたものの中で一番美味しかった。

2018/9/25
ホテルの朝食に行列ができててびっくり。福岡のヒルトン→日航ホテル→オークラ→グランドハイアット→地元商店街を巡る。地元コンベンションビューロの担当の方のアレンジで効率的に動けたが、1日動き回るとそれなりに疲れる。ヤクルトとロイヤルホストは福岡生まれと聞いて驚く。

視察の合間にコーヒーを飲もうということになり、Google Mapで見つけたいい感じのコーヒー屋Coffee Countryまで10分ほど歩く。なんの特長もない路地に、なんの主張もしない外観のコーヒー屋が佇んでいる。まさに佇んでいる。歩く価値は十分ある雰囲気のあるコーヒー屋だった。こういう店があることが福岡という街の豊かさを象徴している気がする。
夜は天神にある伝統的なお店で地ビールと海鮮をいただく。その後少数で天神駅近くの屋台に。中洲の屋台が有名だが、天神のほうが安いというのは事実だそうだ。

深夜、トランプの国連総会での演説を聞く。なんだかんだ言いいつつも、アンチが「見てしまう」「何か言いたくなってしまう」ところがトランプの最大の強さなのかもしれない。

2018/9/26
朝一でヤフオクドームの視察。ドームの貸し切り料金はそこまで高いわけじゃないが、ドームの天井の開閉に100万、空調が1時間あたり40万、誘導係や安全確保係などの費用などなど、雑費を合計するとやはり高い。


昼過ぎに市内ツアーは終了。プロフェッショナル仕事の流儀でとりあげられたラーメン屋さんの支店、白河とら屋福岡分店を訪れる。一押しの手打ち麺はもちろん美味しいが、チャーシュー、メンマまで含めて空きのない一杯だった。


同僚と今後の動きを確認する簡単なうちあわせをして分かれる。天神の町中の雑踏から電話会議1件。

20時半の飛行機で羽田へ。中央線が止まってて、バス→電車→タクシーを乗り継いで日付が変わってから帰宅。

2018/9/27
千葉にグランピングという、手ぶらでいける(その分お高い)キャンプにいく。子供が小さいうちはこれは最高である。



2018/9/29-30 研究の続き、分析の枠組みを探して、改めて決定の本質(上巻下巻)を読み直す。いまさらだが、国際政治の分野で学位をとるってのはこういうことなんだなと。

米下院がCVEに対してもっと予算をつけろとDHSに注文をだしたとか、西アフリカ諸国例えばベニンがインターネット税を導入するだとかいろいろ時代の終わりを感じた月でもあった。