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Aug 28, 2009

久しぶりに笑えた小説「太陽の塔」


「太陽の塔」という小説が最高で、喫茶店でニヤニヤしながら読んでしまった。特に主人公の悪友(飾磨君)の独白がおもしろくて仕方なかったので、引用しておく。



飾磨、かく語りき


「ここに緑の牧場があると思ってくれ。ぐるりと柵で囲った中にたくさんの羊がいる。何も考えずにのうのうと草を食べてはごろごろして、それで結構幸せなやつもいる。


俺は本当に羊なのだろうか羊ではないのではないか羊ではない自分とは何者なのかと不安になって呆然としているやつもいる。


柵の外にちょっと足を出して、また戻って来ては、『俺さあ、実は外へ出たことがあるんだぜ』と得意になって吹聴しているやつもいる。


それを感心して聞いてるやつらもいる。


柵の外へ出たまま、どこかへ行ってしまったやつもいる。


そのたくさんの羊たちの中に、一人でぽつんとたっているやつがいる。


そいつは自分が羊であることがわかってるし、実は恐がりだから柵の外へ出ようとは思わないし、かといって自分が幸せだとも思ってない。


ぱっと見るだけなら、そいつは他の羊とあまり変わらないように見えるだろう。


でもよく観察してみると、そいつはひたすら黙々と、すごく凝った形のうんこをしているのだ。


確かにそれはただのうんこだ。でもひどく凝った形だ。とは言え、やっぱりただのうんこだ。


そして、その羊が、俺だ」



学生の頃の頑張るほど泥沼にはまるあの感じが見事に活字になってます。万人に薦められる本ではないけれど、万人に薦められる本なんて所詮その程度のものであり、このブログを読んでいるそこのオタク気味な貴方におすすめしたいと僕は思う。単純におもしろかった。




太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)







そう8月の半ばあたりから本を読む余裕ができたのである。もしかしたら笑えたのは本の内容もそうだが、自分に余裕があったからなのかもしれない。


4月から忙しかったので、いまはこの読書にあてられる、僅かなゆとりがとてもうれしい。


Aug 15, 2009

七月の一冊 ”The Big Switch”


"The Big Switch"。日本では「クラウド化する世界」という訳書が出版されている。クラウドコンピューティングを電力の歴史になぞらえて説明している。


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非常にわかりやすかった。クラウドコンピューティングという名前は捨て去られても、コンピュータを所有する時代が終わることを僕は心の底から信じている。それは歴史の必然だ。



クラウド化する世界

クラウド化する世界






七月の風景


もう8月も半分がすぎたので一部八月分もまじえつつ、写真でふりかえる、私の一ヶ月です。


Black and/or White


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マイケルジャクソンがなくなった。そのニュースをラーメン屋で聞いたんだけど、テーブルの上の胡椒には「Black and White」。



はっぱ


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オーストラリアから一時帰国中の友達に会う。写真はタバコ手巻き。白いフィルターと髪と葉っぱを真ん中にうつっている赤い装置にセットして、レバーをまわすと、見事にたばこの出来上がり。こっちのほうが圧倒的に安いらしい。でも、これを持ち歩いてて職質されたときのことを考えたくないね。



快適作業環境構築プロジェクト


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勉強部屋を整理して、間接照明をかって、要らないサーバはデータセンターに移して、快適にするための作業が進行中。



喫茶店の壁の落書き


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なんか怨念っぽくみえるけど、書いてある事はとっても平和。



神田ミートセンター


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お肉屋さんの寄り集まった飲み屋。サラリーマン飲みにぴったり。会社からも近いしおすすめ。



ポップコーン破


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エヴァンゲリオンの映画を見に行った。暴力的な映画だった。あたかも自分が殴られているような気分になった。映画終了後にあんなにみんな楽しそうに映画について語っている光景を初めて見た。ヒット作なんだろう。理解できないけど。ポップコーンはうまかった。



出張もなかったし、東京にいる時間が長い一月だった。ちょっと煮詰まり気味。


多分一週間くらい南の島でパソコンから離れて、ダルダルするべきなんだろう。9月の今頃に国外逃亡すべく準備中。


Aug 4, 2009

婆者の最先端医療


亀の甲より年の功とはよくいったもので、お年寄りの話は役立つものである。がしかし、兄者の経験上、一つだけ知恵袋に頼ってはいけない分野がある。それは「怪我や病気の手当の方法」である。例えば「突き指をしたら、その指を引っぱる」がその代表格だ。現在の医学ではやってはいけないとされる誤った手当て/健康法をここでは婆者トンデモ医療と呼ぶことにし、その実態を紹介したい。


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婆者トンデモ医療の悲惨な実態


兄者と弟者は怪我が絶えなかった。遊ぶ場所は野外だったし、殴り合いや蹴り合いの兄弟喧嘩を毎日していたからだ。怪我をした弟者達がどんな治療をうけたか具体例を紹介しよう。



軽い切り傷、擦り傷には唾液

唾液は婆者医療における万能薬である。とにかく何かあったら、「つばを付けておけば直る」そう信じられていた。


打ち身はよく揉む

打ち身などでできた青い痣はよく揉めば、青い部分が広がって消えていくと信じられていた。猿のように患部を揉んだよなぁ。あと同様に予防接種などの注射のあとも、よく揉めと教えられ、これも友人達と競うように高速で揉んだ。


やけどにはアロエ

やけどした時には鉢植えのアロエの葉を切り取り、皮をむき、中のゼリー状の部分を患部にあてる。アロエの臭いがつらかった。


風邪には長葱

風邪をひいたとき婆者が葱を刻んでタオルに巻き込んだ「特製ねぎタオル」を勝手に用意してきた。首の周りに葱をまいた経験のない読者がもしかしたらいるかもしれないので解説しておくと、葱の刺激臭は首からダイレクトに目と鼻を襲う。息もできないし、目も開けられない生き地獄である。あまりの評判の悪さから、以後禁じ手となった。



つまるところ、病気や怪我の回復を助けるどころか、逆方向に作用するのが婆者トンデモ医療なのである。



婆者だけでなかったトンデモ医療


婆者の名誉の為に付け加えるなら、この時代のお年寄りは多かれ少なかれこのような危険な知恵を持っている。モノも情報も少なかった生み出した時代の徒花とでも呼べばいいのだろうか。



蜂にさされたら小便

たとえば母方の爺者は「蜂にさされたらションベン」と信じこんでいた。兄者は、あるとき爺者の庭でミツバチにまぶたの辺りをさされた。そして蜂に刺された痛みより、爺者の小便を顔にかけられる恐怖に震えた。結局この時は母者が止めに入り、兄者は事なきをえている。



蜂にさされたら沢ガニ

この手の話で僕が聞いた中で一番面白かったのは、高校時代の同級生まきさんの逸話である。


彼がやはり蜂に刺されたとき、同居している婆者は「蜂にさされたら沢ガニが一番効く」と言ってきかなかったそうだ。そして自ら、近くの小川にいき沢ガニをつかまえ、それをすり鉢とすりこぎでミンチにした。


グッチャグッチャグッチャグッチャ・・・。


そして、できあがった沢ガニのミンチをまきさんの患部に塗りつけたらしい。まきさんの感想は「死ぬほど生臭い」の一言だった。


沢ガニの体表は雑菌の宝庫であり、そんなもののミンチを体に塗りたくるのは不衛生な事だと思われる。おもしろいですんだのは祖母譲りのまきさんの丈夫な体のお陰なので、皆さんは決してまねしないように。


そんなわけでお年寄りと住んでいると多かれ少なかれ、トンデモ医療の被害にはあうのである。


とはいえ


とはいえ可愛い孫の為に葱を刻み、沢ガニをつぶす婆者たちの愛を僕らはわすれない。


あの息もできない、目も開けられない状況に追い込まれて初めて弟者は健康の大切さを知り、日頃の乱れた生活を悔い改めさせられたのである。


Aug 3, 2009

Aug 2, 2009

クレ556(通称CRC)がすごい


クレ556(通称CRC)という潤滑油は自転車好きの必需品である。自転車のあちこちに軽く吹きかけるだけで、錆を防いでくれるだけでなく走りが滑らかになる。自転車だけではない。例えば軋むサッシにCRCを一吹きすれば片手でスムーズに開くようになる。


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写真のマンションの非常口(防火扉?)が開くたびに「きゅぅぃぃいいーーーぃ。」、しまるたびに「きゅうぅぅぅぅううううううぅぅ」とうるさかったのだが、CRCで蝶番の部分を吹いたら即静かになった。


その効き目もさることながら、潤滑油のイメージを覆すスプレータイプの手軽さもありがたい。



落とし穴


いい事尽くめのCRCだが買ったら一つだけ気をつけるべき点がある。付属の赤いノズルをなくさないことである。ノズルはCRCを使うときだけスプレーの先につける。細いノズルのおかげで狭い場所をオイルで狙い撃ちできるのである。


今日、自転車置き場でみかけたお姉さんはその大事な大事なノズルをなくしてしまったらしい。ノズル無しでスプレーしていた。ブレーキに油をさしたそうだったが、ノズル無しのCRCは殺虫剤を上回る噴射角の広さで、ブレーキだけでなくハンドル全体を油まみれにしていた。


微笑ましかった。が、あれではCRCする意味ないので、みなさんはノズルをなくさないように。




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↑おすすめの商品。容量小さい方だが最初はこれで十分。黒いキャップにノズルがはまるようになってる。