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Dec 30, 2008

ThinkPad X32をSSD化した。起動が2倍速くなった。


未だにThinkPadのX32(WinXP)をメインマシンとして使っている。


http://blog.sparky.jp/WindowsLiveWriter/X32SSD_11758/x32IW2008_thumb.jpg


さて、つい先日、このThinkPad X32のハードディスクを標準搭載のものからSSDドライブに換装したところ、起動時間が半分になり、発熱がへり、稼働音がとても静かになった。というわけでここに、SSD化の道のりと結果をメモっておく。*1


0, 事前の情報収集


会社には熱狂的なThinkPadファンの先輩M氏がいる。その人がX30(10th Aniversary Model!)にTranscend 32GB SSD 2.5インチ IDE MLC TS32GSSD25-Mを換装して非常に快適になったという話を聞いて、興味を持ったのがSSD化のきっかけである。ハードディスクの中身を丸々写すのは面倒だが、今ならM氏がデータ移行を引き受けてくれるということになった。


1, 必要なハードの調達


というわけでSSD化を決心した。まずはSSDディスクを購入しないことには話にならない。僕は以下のディスクを秋葉原のショップで購入した。


Transcend 2.5インチ IDE SSD MLC 64GB TS64GSSD25-M


お値段約17000円。32GBはこの半分の値段で買える。元のThinkPadは40GBの容量があったので、今時容量が減るのは将来つらくなるだろうと考え、あえて高い64GBに決定。ちゃんと動くのだろうかという一抹の不安を抱きつつ帰宅した。*2


http://blog.sparky.jp/WindowsLiveWriter/X32SSD_11758/26122008656_thumb.jpg


準備万端整ったの図


2,物理的なドライブの差し替え


ThinkPadは背面のネジを一本ぬくだけでHDDがスロットのように外れる。というわけでドライブの差し替えは簡単簡単


3,データのバックアップと復元


まずは古いディスク(40GB)を丸々イメージにする。イメージ作成にはAcronis True Imageというソフトの15日限定トライアル版を利用した。Acronis True Imageの良い点はイメージを作る際に圧縮がかかる点である。


http://blog.sparky.jp/WindowsLiveWriter/X32SSD_11758/clip_image002_thumb.jpg


イメージの作成は約1時間ほどで終了する。


バックアップが終わったら今度はイメージを新しいSSDディスクに展開する。


http://blog.sparky.jp/WindowsLiveWriter/X32SSD_11758/clip_image002%5B5%5D_thumb.jpg


これも処理時間は1時間くらいか?


http://blog.sparky.jp/WindowsLiveWriter/X32SSD_11758/clip_image002%5B7%5D_thumb.jpg


こんなメッセージが出て、新しいSSDディスクへのイメージ展開完了。


4,チェックディスクとデフラグ


一刻も早くSSDでマシンを起動して、スピードを体感したいところだが、ここでM氏が自身の経験から「チェックディスクとデフラグをかけます」と宣言。OS 上からは外付けディスクとして認識されている状態でディスクのチェックを行った。特にエラーは見つからなかったが、この作業をしておくとトラブルが減るらしい。


5,いよいよ起動


というわけでハードウェアの交換、イメージの移行、チェックディスクとデフラグが終わったところでいよいよSSDを使って起動してみる。


ベンチマークテスト:

ベンチマークテストの結果は以下の通りである。


Before SSD(SSD化する前)


http://blog.sparky.jp/WindowsLiveWriter/X32SSD_11758/image_thumb.png



After SSD(SSD化した後)


http://blog.sparky.jp/WindowsLiveWriter/X32SSD_11758/image_thumb_2.png


SSD化したのがこれ。特にReadの性能が凄まじく向上しているのがお分かりいただけると思う。


起動の様子:

起動の様子を動画にしてYoutubeに掲載してみた。他のサイトでも似たようなことをやっているが、多くがWindowsのログオン画面が出るまでの時間を計測している。現実の世界ではログイン後にユーザ毎のレジストリ読み込みやアプリケーション起動により時間がかかっている。そこでここではユーザログオンを自動化させ、スタートアッププログラムに”IEの起動”を追加した。電源を入れてからIEが起動しグーグルの画面が表示されるまでを起動時間として比較している。


Before SSD(SSD化する前)



D


ログオンスクリーンが出るまでに60秒、IEが起動するまでに4分


After SSD(SSD化した後)



D


ログオンスクリーンが出るまでに30秒、IEが起動するまでに2分


まとめ



  1. 起動時間は半分になった。SSD化の前の起動に4分かかるのは、僕のマシンで実に沢山のソフトが動いて、レジストリが汚れまくっているのが原因だと思う。それにしてはディスクを交換するだけで綺麗に半分に短縮されるのは凄いことでは無いだろうか。

  2. アプリケーションの起動は速くなった。ブラウザの起動などが目に見えて早くなった。Atokを使った日本語の変換がスムーズになった気がする。

  3. 動作音が静かになった。Youtubeでは確認出来ないと思うが、ディスクがカリカリいわなくなった。お陰でファンの音や自分がタイプする音が妙に気になるようになった。

  4. 動作部品が減ることの安心感。ハードディスクはパソコンのパーツの中でも壊れやすいものの代表格である。がSSDでは構造上稼働する部品が少なく、持ち歩く時にも安心感がある。

  5. コストパフォーマンス高い。SSDドライブは32GBであれば1万円を切るほど価格が安くなっている。1万円でここまで早くなるのは古いノートパソコンを使い続けたいマニアには非常に魅力的であるに違いない。僕は個人的に超お勧めといっておきたい。

  6. 相性問題。特に以下の2つのSSDドライブとThinkPad X30, X32ではトラブルが出ないことを僕とM氏が確認している。



参考


ThinkPad X40のSSD化&HDD交換@ウィキ - SSD化の手順


#X40のSSD化


ThinkPad A30のSSD化 - レジデント初期研修用資料


# A30のSSD化


ThinkPad X30の内蔵HDDをSSDに交換


# X30のSSD化




*1:SSDとはSolid State Drive の略で、フラッシュメモリの高密度なものらしい。今までのハードディスクドライブと違い中には円盤が入っていない。高価ではあるが、リード/ライト性能(特にリード)が格段に良いため最近では自作ファンがOSをインストールするドライブとして使うケースが増えてきている。


*2:帰り際に若松通商というThinkPadファンの聖地に立ち寄り、トラックポイントとウルトラベイ用の2.5インチハードディスクスロットを購入する。これはM氏へのお布施である。